研究課題/領域番号 |
21K04129
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
陳 新開 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50273347)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ヒステリシス / スマートマテリアル / アクチュエータ / サーボ系 / 高度化制御 |
研究開始時の研究の概要 |
優れた特性を持つ圧電材料や磁歪材料などのスマートマテリアルを用いた新型アクチュエータはサーボ機構に利用されている事例がしばしば報告され、大変注目されている。本研究は、この種類の新型アクチュエータにおける出力と入力との関係及び出力と外部環境との関係を総合的に考察し、その動的数式モデル及び同定方法を提案することであり、さらに、これらのアクチュエータを用いたサーボ機構における体系化された制御理論を構築し、新型アクチュエータで駆動されるナノポジショナを用いて提案理論を検証することである。
|
研究実績の概要 |
2022年度において、オンライン計算量を減らす及び制御性能を保証するために、データ駆動型性能評価機構を設計し、推定パラメータのセルフチューニング機構を提案した。2021年度で提案した適応制御アルゴリズムが多数のパラメータを含んでいたため、オンライン計算量は非常に大きかった。一方、新型アクチュエータを用いたサーボ機構において、高度化制御を実現するために、できるだけ短いサンプリング周期は要求されている。そして、2022年度において、まず、オンラインデータを用い、推定パラメータの変化状況やシステムの応答特性などを総合的に評価する性能評価機構を設計した。そして、2021年度で得られた設計パラメータ選択基準の結果を踏まえ、オンライン推定パラメータのセルフチューニング機構を提案した。ここで、パラメータ推定則のオンラインゲイン調整や一部パラメータの更新中断などの実行を行った。さらに、チューニングされたパラメータを用いた制御系の安定性を解析した。 これらの理論に基づき、圧電アクチュエータや超磁歪アクチュエータなどで駆動される単軸ポジショナに対し、高性能ロバスト制御を行った。具体的には、単軸ポジショナの出力位置決め制御へ応用し、計算機シミュレーションを行い、コントローラの初期最適パラメータを大まかに選定した。それから、実験を行い、外部条件を変えながら、提案理論の有効性・ロバスト性・実用性を検証した。さらに、従来の制御法と比較し、提案手法の利点・欠点を明らかにし、より望ましい制御効果を実現した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度において、当初に提出した研究計画に沿って研究を進めてきた。研究目的の研究課題1及び研究課題2の成果を踏まえて、研究課題3及び研究課題4を取り込んで、比較的満足できる結果を得ることができた。 研究課題1:新型アクチュエータに対し、その内部入出力関係を考察するうえ、出力と負荷などの外部環境との干渉関係も研究し、サーボ系制御設計に利用できるような動的数式モデルを構築し、同定アルゴリズムを提案する。 研究課題2:提案した動的ヒステリシスモデルを入力側に含む動的システムに対し、動的ヒステリシスモデルの出力情報を要求せずに、グローバルシステムの入力・出力情報だけを用い、その非線形ロバスト適応制御法を設計する。 研究課題3:オンライン計算量を減らす及び制御性能を保証するために、データ駆動型性能評価機構を設計し、推定パラメータのセルフチューニング機構を提案する。 研究課題4:圧電アクチュエータや超磁歪アクチュエータなどで駆動される単軸ポジショナに対し、高性能ロバスト制御を実現する。
|
今後の研究の推進方策 |
当初に提出した研究計画に沿って、研究課題3をさらに考察しながら、研究課題4の制御結果を改善していく。そして、研究課題5を取り上げて、研究を進めていく。 研究課題4:圧電アクチュエータや超磁歪アクチュエータなどで駆動される単軸ポジショナに対し、高性能ロバスト制御を実現する。 研究課題5:提案した動的ヒステリシスモデルを入力側に含む動的システムの制御理論を干渉関係のある多入出力システムへ拡張し、実システムによって検証する。
|