研究課題/領域番号 |
21K04132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
成瀬 雅人 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (10638175)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | テラヘルツ波 / 超伝導検出器 / スペクトルアナライザー / 機械学習 / スペクトルアナライザ / 超伝導伝送線路 / 超伝導回路 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,テラヘルツ波帯で特有の輝線を持つ危険物を対象とする持ち物検査や電波天文観測, 5Gに対応できる通信分野装置への応用を可能とするテラヘルツ波帯スペアナを実現することである.これまで0.2 THz程度にとどまってきたテラヘルツ波帯スペアナの周波数を1 THz程度まで拡張し,周波数分解能は10 MHz程度の周波数分解能を目標とする.このような最先端の測定装置を,テラヘルツ波帯でも低損失な超伝導薄膜と低損失なシリコン基板を組み合わせた超伝導伝送線路だけでなく,測定できる最小位相差を向上させるために超高感度な超伝導検出器を組み合わせて実現を目指す.
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研究実績の概要 |
テラヘルツ波帯には様々な物質に固有の輝線・吸収線が存在する一方で、ある程度の透過性も有するため非破壊検査や、星間物質観測など幅広い分野で利用されている。物質の同定には高い周波数分解能が必要となるが、より広い帯域でのスペクトルも重要である。本課題では分解能10000かつ比帯域20%以上を目指して、超伝導伝送線路の特性を利用したオンチップテラヘルツ波分光計を提案している。 本年度は実験に不可欠な冷凍機が故障し、ヘリウムの供給が不安定な情勢などから修理に想定以上の時間がかかったため新たな実験を行うことができなかった。そこで、すでに得たデータから本課題が提案する方式での分解能の推定を進めた。具体的には、超伝導伝送線路の透過損失に意図せず含まれる多数の共振構造を除去する方法として、超伝導薄膜の力学インダクタンスの変化のさせ方として、電流を流した場合とデバイスの動作温度を変えた場合における同一性を前提として、共振の影響を低減させる方法を試みた。また、前年度に引き続き機械学習の手法を利用して、特定の周波数の近傍周波数の測定データを教師として、特定周波数のデータからどの程度の精度で周波数を予想できるかを求めた。また、100Hz以上の周波数で電流を印加すると力学インダクタンスの変化量が小さくなっていくことから、本課題が提案するスペクトルアナライザの掃引時間の限界を検討した。 また、これまでのような長い伝送線路ではなく、反波長共振構造とすることで帯域は狭くなるが作成が容易かつ、高い分解能が期待できる新しい構造のデバイス設計を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
超伝導デバイスの実験に不可欠な冷凍機が故障し、修理に想定以上の時間を要したため予定していた実験を行うことができなかったため、過年度に取得したデータ解析を引き続き行った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は昨年度までに設計した、新設計デバイスの作製を行い評価を行い、従来の構造との性能比較を行う。また、周波数帯域をテラヘルツ波帯に拡張できるような回路構造を引き続き検討していく。
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