研究課題/領域番号 |
21K04137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
志村 洋介 静岡大学, 電子工学研究所, 助教 (40768941)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | SiSn / 多結晶SiGeSn / Snナノドット / 結晶核 / スズ / ゲルマニウム / シリコン / 混晶 / 熱電変換 |
研究開始時の研究の概要 |
熱として捨てられているエネルギーの再利用を進めるために、安全で安価なIV族半導体元素を用いた熱電変換材料の特性向上が不可欠である。本研究ではこの実現に必須であるSiGe材料の熱伝導の大幅低減のための三元混晶化を自由な組成で実現する。結晶化プロセスおよび混晶化プロセスの二段階に分離し、結晶化温度の異なる元素を複合した多結晶混晶形成技術を構築し、組成および結晶性がフォノン物性および熱電特性に与える複合的な効果を詳細に解析する。この結晶成長技術を基軸として、Si基板上に薄膜高性能熱電変換デバイスを実現し、電子・光電子デバイスと共に集積する「光熱電融合モジュール」実現に向けた共同研究への展開を目指す。
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研究実績の概要 |
粒界および重いSn原子による熱伝導率の低減が期待される多結晶シリコンゲルマニウムスズ(SiGeSn)三元混晶の形成とその組成制御に向け、本年度は主に結晶化プロセスおよび混晶化プロセスを分離した新たな成長手法を用いた、多結晶SiGeSn薄膜の形成技術開発に関する研究を行った。酸化シリコン(SiO2)上に自己整合的に形成される結晶スズナノドット(Sn-ND)を結晶核として用いてSiおよびGeを同時に堆積した場合、GeとSnが優先的に結晶化し、Siが非晶質のまま取り残されるのに対し、Sn-ND上にSiを堆積および固相成長・結晶化した多結晶SiSnを予め形成し、これを結晶核として後発的にGeを固相成長させ混晶化した場合に薄膜全体が結晶化可能であることが示された。成長直後の結晶の格子置換位置Si組成およびSn組成はそれぞれ10.8%および3.5%であり、300度における後熱処理によってそれぞれ32.1%および12.1%に増大可能であることが示された。この組成は、多結晶SiGeSnの組成として最も高く、非平衡成長による組成増大が比較的容易な単結晶SiGeSnで報告されている組成を超えている。結晶化温度の高いSiをSn-NDを用いて低温(225度)で結晶化可能である点および、これを結晶核としたGeの低温固相反応による高Si, Sn組成多結晶SiGeSn形成させることが可能である点について学術論文にまとめた。
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