研究課題/領域番号 |
21K04150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
武山 眞弓 北見工業大学, 工学部, 教授 (80236512)
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研究分担者 |
佐藤 勝 北見工業大学, 工学部, 准教授 (10636682)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 集積回路 / 銅配線 / 拡散バリヤ / 配向制御 / LSI / 3次元集積回路 / Cu配向性 |
研究開始時の研究の概要 |
Cu(111)配向はエレクトロミグレーション耐性に最も優れた面であることが広く知られているが、従来はNbなどの格子整合に優れた材料を下地として用い、かつバリヤ材料を併用しなければならず、微細配線には適用が難しかった。我々は優れた拡散バリヤ特性を持つ材料を用いたCu(111)配向の実現を目指し、5nmのTaWN膜を用いることによってCu(111)配向実現の可能性を示唆した。また、これまで困難とされた極薄バリヤの構造解析に着手し、Cuとの配向制御のメカニズムを探る。
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研究成果の概要 |
集積回路の分野では、Cu(111)配向の配線作製に強い要請があったが、そのためにわざわざCu(111)配向を得るための比較的厚い下地材料とCuの拡散を抑制するためのバリヤ材料の2層構造としなければならないことで、実用困難とされてきた。そのような本研究において、5nm程度の極薄拡散バリヤのみを用いてCu(111)配向を実現できることを実証し、これまでの配線構造の常識を覆す優れた結果を提供することができた。さらに、このことは配線上に新たなデバイスを作製するような次世代の集積回路の性能向上にとっても極めて有益であることから、集積回路を含む半導体産業にも大きなインパクトを与えることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、薄膜の初期構造そのものがこれまでの教科書や報告されてきた学術論文ベースのものと異なり、薄膜の初期過程に新たなモードがあることを実験的に実証した点で大いに学術的意義がある。そして、そのことが実験的に実証された点は極めて有益である。さらに、これまで困難とされてきた薄いバリヤ膜の構造解析に成功した点でも学術的意義は大きい。 一方、実用可能なオーダーの薄いバリヤ材料上でCu(111)配向を実現できたことは、集積回路のより一層の発展、さらには近年LSIの配線上に新たなデバイスを構成することが提案されており、それらデバイスの性能向上をも実現できる社会的意義は極めて大きい。
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