研究課題/領域番号 |
21K04151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
張 亜 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80779637)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | MEMS共振器 / モード間結合 / 非線形効果 / テラヘルツ検出 / MEMS resonantor / nonlinearity / internal mode coupling / MEMS sensor / terahertz sensor / nonlinear dynamics / テラヘルツ / 非線形 |
研究開始時の研究の概要 |
テラヘルツ技術を様々な分野への応用するために、我々が独創したMEMSボロメータの応用は非常に有望である。しかし、MEMSボロメータは、梁の機械的振動や熱膨張という古典的な力学効果を用いているため、感度をさらに改善することが非常に困難である。最近、MEMS梁に内在する力学的な非線形性により生じる梁の振動モード間の相互作用が、非常に大きな熱感度増大をもたらすことを発見した。本研究の実施を通して、モード間結合による感度改善の原理を解明するとともに、感度が増大されたMEMS共振器でテラヘルツ波の検出を実証する。このように、モード間結合効果を超高感度テラヘルツ検出への応用に展開する基盤知識を獲得する。
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研究実績の概要 |
本年度の研究は、MEMS共振器におけるモード間結合効果の定量化解析を中心に行った。2つのモード(表現しやすいため、モードA・Bと呼ぶ)の間の結合強度を評価するために、モードAを励起し、その振動による生じたモードBの共振周波数変化を測定した。この共振周波数変化(モードB)の振動振幅(モードA)の依存性を用いて、モードA・Bの間の結合強度を定量的算出した。また、MEMS梁に熱応力を加えると、梁は座屈状態になるが、測定されたモード間結合強度は、基本曲げモード(モードA)の非線形係数と明らかに同じ変化傾向を示していた。このことは、モード間結合効果はモードの非線形係数と強く関係することを示唆している。 上記の現象を解明するために、我々は、振動中の梁の伸びることによる生じた共振周波数シフトに注目し、モード結合効果の数理的なモデルを構築し、実験結果と一致する理論値を獲得した。これによって、モード間結合強度の起因する物理的機構を理解し、また、結合強度とMEMS梁の非線形性の定量的な関係性を解明した。また、熱応力をMEMS梁に導入することで、MEMS梁の振動の対称性を崩れ、モード間結合強度を大幅に変調することを実現した。上記のように、本研究は、MEMS共振器におけるモード間結合効果の原理を解明し、応用に特異的な結合強度を実現する方法を提供したため、モード間結合効果の研究に大きく貢献すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験の補助を担当する学生の卒業の関係で、一部の実験が予定より遅くなった。現在、その実験も完成したが、成果の発表はちょっと遅くなっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を論文化し、論文誌や国内外の学会に発表することよって研究成果を広報する予定である。
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