研究課題/領域番号 |
21K04157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
西尾 太一郎 東京理科大学, 理学部第二部物理学科, 教授 (40370449)
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研究分担者 |
有沢 俊一 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 上席研究員 (00354340)
山森 弘毅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (00358293)
田中 康資 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (70357440)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | トポロジカルソリトン / 量子位相 / 磁束量子 / SQUID / 多バンド超伝導体 / ソリトン / 量子情報 |
研究開始時の研究の概要 |
超伝導体では電子の位相はすべて揃っており,1つの値しか存在しない.このため超伝導体は,量子位相がマクロに現れるという特筆すべき性質をもつ.申請者らは,2つの位相をもつ2バンド超伝導体を作製することに成功し,2バンド超伝導体において2つの位相差がトポロジカルソリトンとして振る舞うことを,実験で初めて示した.理論において,トポロジカルソリトンは物質中を伝搬することが示されているものの,伝播実験に成功した例はまだ報告されていない.本研究課題では,このトポロジカルソリトンの伝播実験を行い,伝播技術を完成させる.
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研究実績の概要 |
超伝導体では、電子の位相はすべて揃っているため、量子位相はマクロに現れ、観測可能になる。我々は、2018年に2つの量子位相をもつ人工的な2バンド超伝導体Nb/AlO/Nbを作製することに成功し、Nb/AlO/Nbにおいて2つの量子位相の間にソリトン型の位相差が生じることを実験的に示した。位相差は、超伝導体中をソリトンとして伝播することが予想されるが、伝播実験に成功した例はまだ報告されていない。本研究の目的は、Nb/AlO/Nbに電流などを印加して位相差を駆動し、位相差のソリトンとしての振る舞いを観測することである。 当該年度は前年度からの引き続きで、ソリトンの伝搬を観測するためのセンサーの開発を行った。位相差は、超伝導体に生じる磁束量子の磁束量から知ることができるため、超伝導体の上に微小なSQUID素子を100個程度置き、各位置でのSQUIDのアウトプットにより位相差を観測する。リソグラフィーにより2バンド超伝導体Nb/AlO/Nbの上に100個のSQUID素子を実装することに成功した。問題として、磁束量子とSQUID素子の相対位置によって観測される磁束量が変化してしまうことがわかった。これを解決するためにNb/AlO/Nb上にピンホールを開け、磁束量子の位置を固定させた。これにより、より正確に位相差を観測することに成功した。次年度はこのセンサーを用いて位相差の伝搬に関する研究を展開する。 成果報告として、今年度は上記の内容について、1件の国際会議発表と2件の論文発表を行った。なお、上記の内容については次年度に学会においても公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最重要課題である位相差を観測するためのセンサーの開発は順調に進んでいたが、ピンホールの問題に手間取ったため、研究の進み具合は当初の予定よりやや遅れている。次年度は位相差の伝搬実験を早急に進める必要がある。一方、依然として世界的なヘリウムの供給不足が続いているため、実験回数を制限する必要がある。少ない実験回数で成果を上げられる方法を考えながら研究を進めていかなければならない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は開発したセンサーが組み込まれた位相差伝播回路の作製を行い、伝播実験を実行したい。当初の予定どおり、実験で得られた知見を基に回路を改良して進めていきたい。研究全体としては進捗がやや遅れているが、ソリトンの伝播実験を確実に進めていきたい。ソリトンの伝播の長距離化などは余裕があれば取り組んでいくことにし、まずはソリトンの伝播実験の成功を目指していきたい。
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