研究課題/領域番号 |
21K04171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
本良 瑞樹 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (40736906)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 短ミリ波 / 低消費電力 / アクティブアレーアンテナ / 発振器 / 注入同期 / アクティブアンテナ / 注入同期型アクティブセル / 小型 |
研究開始時の研究の概要 |
高速で安定した無線通信の実現に必要方向に電波ビームを向けるアレーアンテナシステムは現在必須の技術となっている.150GHz帯は電波法における免許不要の制限が緩く大きな空中線電力が利用できる.また,同じ素子数のアレーアンテナが例えば60GHz帯の1/6以下の面積で実現できる. 一方で,周波数の向上に伴いローカル信号周波数も増加するため,ユニット間の同期およびローカル信号分配パスの損失が問題となる.本研究では,ローカルより十分に低い周波数による注入同期を用いたアクティブアンテナユニットを提案する. これにより,短ミリ波帯でのアレーアンテナが実現でき小型で高速通信が可能な無線機につながる.
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研究実績の概要 |
研究目的である,150GHz帯におけるアクティブアンテナユニットを実現し,これをアレー化することでアンテナアレーとしての動作を検証するための検討を行った.これを実現するには,(1)低消費電力な発振器,(2)小型なアクティブアンテナ,(3)外部からの同期が可能なアクティブアンテナユニットが必要になる.本研究では,課題(1)の解決を研究項目①とし,課題(2), (3)の解決をそれぞれ研究項目②-1,②-2としている. 今年度は研究項目①を達成するため,150GHz帯での発振器を設計,試作した.シミュレーションにおいて電源電圧0.6Vで消費電力1mWであった.本発振器を米国Global Foundaryの45nm SOI-CMOSを用いて試作を行った.更に,研究項目②-2を達成するため,試作発振器の差動出力端子間に並列にスイッチを挿入し,同期の確認を行えるようにした.スイッチを並列型とした理由は発振器に対して直列スイッチを用いると,低電圧環境下では発振開始がスムーズに行かない現象が確認されたためである.提案スイッチにより,低消費電力化のための低電圧動作,および,アクティブユニットが同期できることをシミュレーションで確認している. 試作ICについては年度内に評価を行い,基板実装によるアレー化を行う予定であったが,昨今の半導体不足によるファウンダリー生産ラインの混雑により,当初12月納品であったICが3月納品と非常に遅れたため,年度が改まってから評価を開始している.今年度6月末までには評価を完了させ,実装作業を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ICの試作は予定通り実施できたが,昨今の半導体不足によるファウンダリー生産ラインの混雑により,当初12月納品であったICが3月納品と非常に遅れたため,年度が改まってから評価を開始している.今年度6月末までには評価を完了させ,実装作業を行う予定である. 研究項目②-1については昨年度予定を上回るペースで検討が行えており,トータルでは影響は少ないと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は本研究課題の最終年度であり,研究目的である「150GHz帯におけるアクティブアンテナユニットを実現し,これをアレー化することでアンテナアレーとしての動作検証」を行う.そのために必要な,①:低消費電力発振器,②-1:高効率アンテナ,②-2:ユニット同期スイッチの検討について,②-1については昨年度,①および②-2の試作については本年度行っている.今後試作ICの評価およびアレー構成での特性評価を行う.更に②-1のアンテナと組み合わせることで,研究目的であるアクティブアレーを実現する.
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