研究課題/領域番号 |
21K04195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
服部 吉晃 神戸大学, 工学研究科, 助教 (90736654)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 有機トランジスタ / UVオゾン処理 / 親水疎水パターニング / 有機薄膜トランジスタ / 有機半導体 / 結晶成長 / トランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
有機半導体トランジスタのキャリア移動度は有機薄膜の結晶粒界で減少するために、製膜方法に関して、一般的な真空蒸着法に比べて比較的大きな単結晶のグレインが得られるブレードコート法が近年注目されている。既存の手法において、グレインの成長機構を詳細に理解して、単結晶のグレインを制御しながら大きく成長させることができれば、さらなる均一な膜質が得られ、トランジスタの性能と信頼性の向上が期待できるが、現在、グレインの成長を積極的に制御する技術は確立されていない。本研究では製膜中の様子をその場観察で、製膜中の薄膜の結晶性を調べ、グレインの形成メカニズムを明らかにし、製膜プロセスを改良することを研究目標とする。
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研究実績の概要 |
安価で大面積に有機トランジスタを作製する手法として、有機半導体材料を溶かした有機溶媒をインクとして基板に溶液を塗布し、チャネル層となる有機半導体薄膜を製膜する研究が進められているが、実用化のためにはトランジスタのキャリア移動度の向上が必要である。移動度の低下を招く要因の一つに、ゲート絶縁膜の表面でトラップされる要因が挙げられるが、キャリアトラップを抑制するためには、界面トラップ密度が低い絶縁膜を用いることが効果的である。しかし、一般的にそのような表面は疎水性であるために、有機薄膜の原料となる溶液を基板に塗り広げる工程が困難になる。そこで、今年度は、疎水基板上に塗布された溶液の挙動を制御する目的で、デバイス性能には影響を与えない場所を局所的に親水化した。その親水/疎水パターニングを施した基板上の溶液の挙動と結晶成長の様子をその場観察法で観察した。具体的には熱酸化膜付きシリコン基板表面をhexamethyldisilazaneで改質し、疎水性にした後、対角線が800μmの正六角形の頂点に直径150μmの6つの穴が開口されたメタルマスクを基板表面に接触させ、UV/オゾン処理を行うことで親水/疎水パターニングを基板表面に形成した。その後、溶液をインクジェット法により、そのパターンの中心部に塗布し、塗布から溶媒が観察し、製膜される様子をカメラで観察した。その結果、局所的に親水化された部分は液摘を基板に吸着するような効果があることが分かり、適切な量の溶液を塗布することにより、溶液は6つの親水部で安定化され、親水/疎水パターニングのデザインにより溶液の制御ができることが明らかになった。また、安定化される間に製膜が進み、疎水部分に製膜が行えることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度は熱酸化シリコン基板の表面を疎水性の単分子有機薄膜で改質し、UV/オゾン処理を施し、疎水性基板から親水性基板に変えて、その親水化の処理が、有機トランジスタの動作にどう影響を与えるか詳しく調査したが、本年度は、前年度の研究を局所的に活用し、当初本研究計画で予定されていた、その場観察を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究でインクジェット法により製膜された有機薄膜を用いて、有機トランジスタを作製し、電気特性の評価を行う。
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