研究課題/領域番号 |
21K04209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
小山田 哲也 岩手大学, 理工学部, 准教授 (70361045)
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研究分担者 |
羽原 俊祐 岩手大学, 理工学部, 嘱託教授 (10400178)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 耐凍害性 / スケーリング抵抗性 / コンクリート構造物 / 連行空気 / 気泡間隔係数 / コンクリート / トンネル二次覆工 / 気泡径分布 / 運搬 / 圧送 / 締固め / 気泡測定 / 凍害 / スケーリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、コンクリート構造物の耐凍害性確保に関する施工上の留意点について整理することである。 施工工程の内、運搬、圧送および振動締固めよる空気量への影響を3年間で検討する。工事の受発注者の協力を得て、東北地方で工事される30工事程度の中から、出荷前、荷卸し、圧送、振動締固めの工程でコンクリートを採取する。硬化したコンクリートの耐凍害性を測定して、施工上の問題点が明確とする。 この結果に対して、硬化後のコンクリートの空気量はもとより、コンクリート中の気泡径 分布や緻密性を検討する。施工によるコンクリート中の連行空気の変化の原因とその対応策をまとめ、耐凍害性確保に関する学術的見解を明らかにする。
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研究実績の概要 |
コンクリート構造物の施工に伴う空気量の変化と耐凍害性について、以下2編の論文を投稿し、いずれも掲載された。 〇小山田哲也,藤齊祐希,青山桃子,羽原俊祐:小片凍結融解試験法によるコンクリートのスケーリング抵抗性の評価,セメント・コンクリート論文集,Vol.76,pp.372-378, 2023 〇小山田哲也,佐藤栄司,中村敏之,加藤陽菜:収縮低減剤を用いた高強度コンクリートの耐凍害性,セメント・コンクリート論文集,Vol.76,pp.386-392, 2023 またコンクリート二次製品のテーブルバイブレータ、一般構造物の内部振動機によるコンクリート中の連行空気の移動を実験的に解明した。連行空気は振動するものから遠ざかる方向に移動する性質があり、テーブルバイブレータの振動では、連行空気が型枠から離れる方向に移動し、内部振動機の場合は、振動しているバイブレータから離れて、型枠面に空気が張り付く。またこれらに連行空気の浮力による上方への移動が加わって、コンクリート内を移動することが分かった。振動物には水が多く集まることが一般に知られているが、その逆の方向に連行空気が動いて居ていることになる。また一旦型枠面に着いた空気は、容易に除く事が難しいことも分かった。コンクリート構造物の美観を気にするあまり、過剰な振動を与えているのが実情であるが、過剰な振動でも表面気泡を取り除くのにはほとんど効果が無いことが明らかとなった。本研究の成果は速やかに査読付き論文に投稿する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実構造物の連行気泡を補足するのが実験の目的であったが、東北地方整備局での施工実績があまり多くはなく、基礎実験における実験に切り替えて実施している。現段階では、トンネル(2021年度既発表)、高強度コンクリート床版(2022年度既発表)工場製品(現在検討中)、一般構造物(現在投稿に向けた準備中)の4つのコンクリート工種を対象に空気の移動を捉えようとしており、当初の計画と比較して、基礎的ではあるが幅広い知見が得られ、基礎的な研究が実施できており、概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
あと1年の研究課題の遂行であるが、一定の方向性は見えており、問題はないと考えている。
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