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確率論を導入したマスコンクリートの新たなひび割れ照査方法の提案とその普及

研究課題

研究課題/領域番号 21K04214
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
研究機関山口大学

研究代表者

中村 秀明  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (20207905)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードマスコンクリート / 温度ひび割れ / ひび割れ照査 / ひび割れ発生確率 / 確率有限要素法 / ひび割発生確率 / ひび割れ指数
研究開始時の研究の概要

マスコンクリートのひび割れ照査において、現行のコンクリート標準示方書に示されているひび割れ発生確率図を用いる方法は、生コン工場や施工者などの創意工夫(材料や施工の高度な品質管理等)を考慮できない。
そこで、本研究では、マスコンクリートにおけるひび割れ照査方法として、確率論に照らして、合理的で、説明性が高く、材料管理や施工における品質管理等を加味できる、より広範囲で、汎用的な新たなひび割れ照査方法を提案し、その普及を試みる。

研究実績の概要

土木学会コンクリート標準示方書では、マスコンクリートのひび割れ照査方法が1986年に初めて示されてから、既に30年余りが経過し、安全係数(ひび割れ指数)とひび割れ発生確率の関係図を用いたひび割れ照査方法が一般的に用いられている。このコンクリート標準示方書に示されているひび割れ発生確率図を用いる方法は、生コン工場や施工者などの創意工夫(材料や施工の高度な品質管理等)を考慮できない。ひび割れ発生確率は、ひび割れ指数により一義的に決まるため、品質管理された良い材料を使用し、適切な施工を行っても、ひび割れ指数が変わらなければ、ひび割れ発生確率は同じ値となる。
確率論的にひび割れ発生確率を考える場合、ひび割れは、引張応力が引張強度を超えた場合に発生するものであり、そのバラツキを考慮して、引張応力が引張強度を超える確率をひび割れ発生確率として算定することが自然である。
本研究では、マスコンクリートにおけるひび割れ照査方法として、確率論に基づき、合理的で説明性が高く、材料管理や施工における品質管理等を加味できるより広範囲で汎用的な新たなひび割れ照査方法を提案し、その普及を試みる。
確率論を基に照査を行うためには、温度解析や応力解析で使用する入力値の統計量(分布形状やバラツキ具合等)が必要不可欠である。令和4年度は、調査した統計量の取り纏めを行い、さらに令和5年度は、一次近似二次モーメント法による確率有限要素法により、不確定性を考慮した3次元温度解析プログラムを作成した。この解析プログラムは、節点温度の期待値とバラツキを計算することが可能であり、さらに、それぞれの入力値が解析結果にどの程度の影響を与えているかを把握するための感度の計算も可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

統計量の取り纏めは順調に行われており、一次近似二次モーメント法による確率有限要素法プログラムについては、3次元非定常熱伝導解析および3次元応力解析も完成している。その検証についてもモンテカルロ法を用いた方法と比較し、期待値とバラツキの結果の整合性を確認した。
モンテカルロ法による方法では、正規乱数を用いて入力データをばらつかせながら1000回の熱伝導解析と応力解析を行う必要があり、かなりの時間を要したが、一次近似二次モーメント法による確率有限要素法では、計算時間は従来の解析時間の高々2倍になる程度であり、かなり効率良く計算ができた。
この解析プログラムにより、要素応力の期待値とバラツキを計算でき、引張強度の期待値とバラツキからStress-Strengthモデルにより、ひび割れ発生確率を求めることが可能となった。

今後の研究の推進方策

解析プログラムはほぼ完成に至っているが、一般に広く普及させるためには、一般の人でも簡単に使用できる必要がある。そのため、令和6年度は、この新たなひび割れ照査方法を広く普及させるために、温度応力の解析プログラムとして一般に広く普及している公益社団法人日本コンクリート工学会の解析ソフトJCMAC3への実装を行う。
さらに、この解析ソフトを用いて山口県の高品質コンクリート構造物の解析と適用性の検討を行う。最後に、種々のコンクリート構造物の解析をとおして、本手法の妥当性を検証する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] コンクリート構造物の耐久性評価のための外気温モデルの精度向上に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      中村秀明, 中村明彦, 國近光生
    • 雑誌名

      コンクリ-ト工学年次論文報告集

      巻: 43(1) ページ: 869-874

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 覆工コンクリート打設時の温度予測のための解析モデルに関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      中村明彦, 中村秀明, 國近光生
    • 雑誌名

      トンネルと地下

      巻: 52(8) ページ: 69-76

    • NAID

      40022690941

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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