研究課題/領域番号 |
21K04223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 鳥取大学 (2022) 福島工業高等専門学校 (2021) |
研究代表者 |
江本 久雄 鳥取大学, 工学部, 准教授 (90556698)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 橋梁健全度評価 / 点検技術者養成 / Artificial Intelligence / MR-HMD / Augmented Reality / Artificial intelligence / Augmented reality |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では社会基盤構造物の多くが高度経済成長に建設されており,これらの多くの橋梁は老朽化を迎え,持続可能な社会を維持していくためには,更新や維持管理が重要となる.本研究は,老朽化橋梁の実用的な健全度診断法とその点検業務の効率化に関して,最新ICT技術であるAI(Artificial Intelligence),MR(Mixed Reality)といった技術の活用研究である.AIにより個人差のない健全度評価システムの構築を試み,MRではHMDを利用して点検技術者の学習支援を実現する.また,ARによって変状図をスマートフォンやタブレットに表示し橋梁点検時の効率化を試みる.
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研究実績の概要 |
本研究の主な課題として,次の3つを挙げている.(a)AIを用いた健全度評価,(b)没入感のあるMR-HMDによる講習会ツールの開発,(c)ARによる変状の表示による点検業務の効率化である.これらの研究実績の概要を述べる. (a)AIを用いた健全度評価:学習データとなる点検の変状図は,多くないためデータの拡張方法について提案をした.その結果から,他の橋梁の変状図では,どうなるのかといった課題が分かった. (b)没入感のあるMR-HMDによる講習会ツールの開発:当初の予定通り学習のシナリオを作成し,基礎編,初級編,中級編,上級編と作成し基礎編から中級編までのシステムを作成し,アンケート調査を実施し,その有効性や課題についてまとめた.MR本ツールで利用するVRデータに関しては実在する橋梁から作成したものと,橋梁の標準設計図書から設計した仮想の橋梁モデルを作成した.仮想の橋梁モデルでは施工後の内部の様子(鉄筋の配置やPCケーブルなど)を再現することにより可視化を試みた.これはVRの特徴をいかして,見えないものを表示した.その結果,点検の初学者や設計,施工したことがない技術者においても理解することができた. (c)ARによる変状の表示による点検業務の効率化:マーカ型による表示の実装をおこなった.より実用化を考慮して立体認識による可視化の表示に関して検討している.立体認識による可視化の表示は室内におけるペーパークラフト程度のサイズの模型実験により表示することが可能であることが分かった.また,当初予定していなかった変状図の修正なども可能とした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の要点として,(a)AIを用いた健全度評価,(b)没入感のあるMR-HMDによる講習会ツールの開発,(c)ARによる変状の表示による点検業務の効率化である.これらのうち,昨年度課題と考えていた(a)の学習データ不足を補うためにデータ拡張方法を提案してきた.これに関して,概ね目標を達成しているが,他の橋梁の場合はどうなるかといったように,検討課題が分かった.この検討課題の解決策を模索する.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果で変状図を学習データとした健全度評価に関して,データ拡張を試みた.その成果を取りまとめるとともに,本年度は最終年度であるので,これまでに得た研究成果のとりまとめを行う.その成果をアフターコロナであることをうけ,国際会議で発表を行う.
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