研究課題/領域番号 |
21K04227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
水田 真紀 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (00411257)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コンクリート / 中性子 / 中性子イメージング / 透過画像 / コンパクト中性子源 / 複合劣化 / 水分浸透 / 円柱サンプル / 水分移動 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
これからのインフラ維持管理・更新は、従来の事後保全から予防保全を基本とする方向への転換が求められている。予防保全を確実に実行するためには、①品質確保と②劣化予測精度の向上が必須であるが、コンクリート構造物の設計では、複合劣化が生じている現状に対し、単一の劣化因子の耐久性照査にとどまっている。ここで、照査項目である鋼材腐食とコンクリートの劣化は、いずれも「水」の寄与が極めて大きいことに着目し、複合劣化に対するコンクリートの抵抗性を水分移動で評価する手法を構築する。申請者が開発に携わった「コンパクト中性子源を利用した透過中性子イメージングによるコンクリート中の水分定量評価」の技術を活用する。
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研究成果の概要 |
本研究は、高品質かつ高寿命なコンクリート材料の開発に資すること、コンクリート構造物の予防保全的な維持管理に寄与することを目的とし、中性子イメージングによりコンクリート中の水分の非破壊観察を行い、以下の結論を得た。(1)複合劣化した実構造サンプルの実験より、目視できるひび割れだけで劣化程度を判断するよりも、内部方向に比較的広い範囲までコンクリートの状態が変化している可能性を示した。(2)現場での採取コアを想定した円柱サンプルの実験より、1サンプルから水分浸透速度係数を測定できる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コンクリート標準示方書【維持管理編】が改訂され、「水の作用」が構造物の全ての劣化に関わる作用として捉えられ、中性化については「水の浸透」を伴う鋼材腐食による劣化進行と性能低下の特徴を考慮した維持管理が示され、劣化機構の一つに「複合劣化」が含められた。構造物の維持管理において、水の影響が強く認識されるようになり、本研究が果たす役割は大きい。 今後、コンクリート構造物の維持管理指標の非破壊計測技術として本研究を発展させる。特殊な技術では、定期的に実施される検査・点検・診断に利用されることは難しいため、理研小型中性子源システムRANSのようなコンパクト中性子源の利用価値の向上にも貢献する。
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