研究課題/領域番号 |
21K04229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
小室 雅人 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (10270183)
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研究分担者 |
瓦井 智貴 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (60943868)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 無孔性コンクリート / 鋼繊維 / 偶発作用 / 耐衝撃用途構造物 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では異常気象に伴う集中豪雨により落石や土石流等の自然災害が頻発し,さらに人為的ミスに起因するガス爆発等によって外壁材の家屋への衝突など,衝撃的な外力を受ける家屋や社会基盤施設の安全性が問題視されている。本研究では,世界最高圧縮強度を有する無孔性コンクリート(PFC)と剥落防止効果の高い短繊維を組み合わせた鋼繊維混入PFC(SPFC)に着目し,衝撃的外力に対して安全・安心なインフラ構造物の開発を最終目的に,SPFCと高強度補強筋を組み合わせた複合部材を提案し,その耐衝撃特性を明らかにする。これにより,従来のRC部材よりも耐衝撃性能を数十倍向上させた新たな構造部材を開発を試みる。
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研究実績の概要 |
世界最高圧縮強度を有する無孔性コンクリートに剥落防止とせん断補強効果の高い鋼繊維を組み合わせたPFFRCの耐衝撃構造物への展開・応用を最終目的に,本年度は以下の2つの検討を実施した。 1つ目として,前年度の結果を踏まえ,主鉄筋比を変化させた試験体を製作し,その耐衝撃性に関する検討を実施した。具体的には,PFFRCはり(幅x高さxスパン:120 x 120 x 1400mm)に異形PC鋼棒を3水準に配筋した試験体と,比較のために普通コンクリートに普通鉄筋を配筋したRCはり(幅x高さxスパン:150 x 200 x 1400mm)を製作し,静載荷実験および重錘落下衝撃実験を行った。静載荷実験は3点曲げ試験とし,衝撃実験は質量300kgの鋼製重錘を2水準の落下高さから自由落下させることで実施した。その結果,1) 静荷重載荷実験結果より,普通RCはりに比較して断面形状を小型化した場合においても,PFFRCとPC鋼棒を併用することで耐荷性能を1.3~1.7倍程度向上可能であること,2) 衝撃荷重載荷実験結果より,PFFRCとPC鋼棒を用いることで,普通RCはりに比較して断面の小型化とともに耐衝撃性の向上を図ることが可能であること,などを明らかにした。 2つ目として,既設RC構造物の耐衝撃性向上効果へのPFFRCの利活用に関する基礎的検討を行った。具体的には,RCはり(幅x高さxスパン:200 x 250 x 3000mm)の両側面にPRRFC製パネル(厚さ:20mm)を接着した試験体を製作し,重錘落下衝撃実験および基礎的な力学的特性を把握するための静載荷実験を行った。また,比較のためにパネルを接着しない無補強のRCはりも製作し,同様な実験を実施した。その結果,PFFRCパネルをRC梁の両側面に接着することによって,無補強試験体と比較して,1) 静荷重載荷実験結果より,鋼材降伏時の荷重は1.2倍程度向上すること,2) 衝撃荷重載荷実験結果より,最大変位や残留変位を30~35%程度抑制可能であること,などを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主鉄筋量を変化させたPFFRCはりおよびPFFRCパネルを側面に接着したRCはりの重錘落下衝撃実験を実施し,その耐衝撃性向上効果を確認しており,研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
PFFRC版を利活用した既設構造物の耐衝撃性向上方法について実験的に検討を進めるとともに,これまで実施してきたPFFRCはりの耐衝撃挙動を適切にシミュレートできる解析手法の確立と妥当性検証を行う。
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