研究課題/領域番号 |
21K04247
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
|
研究機関 | 日本工営株式会社中央研究所 |
研究代表者 |
輿石 正己 日本工営株式会社中央研究所, 中央研究所, 研究員 (70809318)
|
研究分担者 |
玉井 宏樹 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20509632)
園田 佳巨 九州大学, 工学研究院, 教授 (40304737)
浜田 秀則 九州大学, 工学研究院, 教授 (70344314)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
|
キーワード | 国土強靭化 / 高靭性橋脚 / Pre-Deform技術 / 軸方向鉄筋の座屈抑制 / 2段階釣合い式 / 軸方向鉄筋の座屈防止 / 2段階釣合い式 / RC橋脚 / 靭性向上 / Pre-Deform |
研究開始時の研究の概要 |
大規模地震時における鉄筋コンクリート橋脚(以下RC橋脚という)の靭性率を向上させ、想定以上の地震力に対しても倒壊しないRC橋脚を実現することは、国土強靭化に大きく貢献できる研究課題の一つである。高速道路や高速鉄道におけるRC橋脚では既に内巻スパイラル鉄筋等を用いた靭性向上工法が研究開発されているが、その効果は限定的であり万全な策には至っていない。そこで、研究代表者(輿石)らは、RC橋脚の軸方向鉄筋を予め内向きにR加工を行なうPre-Deform技術及び大変形時におけるRC断面の2段階釣合い構造式に着目し、従来のRC橋脚の靭性率を概ね4倍(靭性率40程度)に向上させることを計画である。
|
研究成果の概要 |
RC橋脚の靭性率を向上させるため、通常のRC橋脚(タイプ1)と橋脚基部の鉄筋を曲げ加工したHTP橋脚(タイプ2)の正負交番載荷実験を実施した。その結果タイプ1では靭性率はμ=6.5、タイプ2ではμ=7.2であった。実験ではHDP橋脚の軸方向鉄筋が変位7δy時に面外方向へ座屈したため予想値を下回った。次に非線形FE解析によりタイプ2のパラメトリックスタディーを行った。パラメータとしては曲率半径、曲げ加工区間長、横方向鉄筋比をを採用し、それぞれの影響係数α1~α3を求めた。その結果タイプ2の靭性向上率は海洋型地震に対してはタイプ1の1.44倍、直下型地震に対しては1.65倍であることが判明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:RC橋脚の基部における軸方向鉄筋を内向きに曲げ加工することにより、靭性率を従来の1.7倍程度まで向上させることに成功した。その結果、学問的にコンクリート構造工学における新たな地平を築くとともに、学術水準の向上に資することができた。 社会的意義:高靭性RC橋脚を実現し社会資本へ展開することにより、国土強靭化の推進、大規模地震に対する安全性向上を図った。例えば、Tラーメン橋では直下型地震により断層が発生し橋台が移動した際には橋脚が傾き崩壊に至るが、本技術を展開することにより従来の1.7倍程度傾いても崩壊を防止でき、復旧性の向上、交通寸断により二次被害の防止に資することが可能となった。
|