研究課題/領域番号 |
21K04254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小松 満 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50325081)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 注入 / 懸濁液 / 透水係数 / 粘度 / 通水実験 / 地下水 / 止水技術 / 注入材 / 現地土 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,地盤注入工法としてグラウト技術は広く普及しているものの,未固結地盤に粘土懸濁液を圧入して透水性を低下させる事例はほとんど例を見ない。そこで,これまでに新たな注入材として岡山県産のカオリンクレーの適用性を検討した結果,注入後の透水係数を最も低下させる懸濁液の配合比及び粘度の値が存在することが示唆された。本研究では,カオリンクレー懸濁液の圧入にヒント得て,現地土から作製した細粒分懸濁液を用い,粒度の調整方法及びその透水係数の低減率と注入範囲などの効果を評価する室内試験を実施することで工法の実現に向けた基盤となる成果を創出する。
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研究成果の概要 |
本研究では,新たな粘土系注入工法の開発を目的に,現場試料に着目した.まず,現場試料から細粒分を抽出する方法について検討した上で,抽出した細粒分による懸濁液の特性を調べた.さらに,水平一次元カラム内の供試体に懸濁液を圧力注入した際の挙動や,動水勾配を段階的に上昇させた通水実験における透水性の変化を調べることで,その効果を検証した.その結果,粘度を高めるためにベントナイトを混入させた懸濁液において高い透水性低減効果を示した.また,回転式断面二次元土槽を用いた注入範囲の検討から,粒径の小さなカオリンクレー懸濁液は粒径の大きいものに比べて浸透性が高いことが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地盤の止水を目的とした注入材の特性を明らかにする研究はこれまでにも数多く実施されているが,産業副産物を注入材として用いる点に着目した研究事例はみられない.本研究では,セメントや薬液を用いたものに代わる環境への負荷が少ない材料を用いた新たな注入工法を創造することにより,河川堤防における高透水性地盤やトンネル掘削時の湧水に対する注入以外にも汚染地下水の拡散制御壁への利用,地盤沈下の原因となる粘土層の圧密沈下防止対策としての利用等への応用,砂質地盤を注入により粘性地盤に改良することで液状化を防止する技術への応用等への波及効果が期待できる.
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