研究課題/領域番号 |
21K04257
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
椋木 俊文 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (30423651)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 超音波 / 振動 / 熱伝搬 / X線CT / 乳化 / 地盤汚染 / 画像解析 / 油汚染 / X線CT画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,既存の手法と比較して,広範囲かつ3次元的効果が見込める“超音波”を用いた新たな地盤浄化法を構築する.特に,トレードオフの関係が避けられなかった超音波振動による油の浄化と,地盤沈下抑制の両立を狙う.具体的には,当該研究に申請者が世界で初めて導入したX線CT法を駆使して,超音波照射前後の地盤内滞留状況および粒子再配列および間隙構造の変化を画像解析し,超音波振動に伴う油の浄化機構の解明に迫る.格子ボルツマン法と個別要素法とX線CT法による解析結果のフュージョン化を図り,よりミクロに超音波・油・地盤の相関を捉えることで,最終的に実用化に向けた超音波による油汚染地盤浄化手法の確立を目指す
|
研究実績の概要 |
本研究では,2021年度は油で汚染した粒状材料を超音波で乳化させ,除去する実験を行い,その浄化量を定量化する検討を行ってきた.浄化量の変化は超音波振動に伴う地盤材料の構造変化が影響する.2022年度では,超音波振動に伴う地盤材料の構造変化,温度変化に着目し,これらを評価する実験を実施した.実験においては,飽和地盤に直接超音波を照射可能な装置を導入し,実験装置を試作した.ここでは,超音波振動のエネルギーを変化させ,X線CT画像の構造変化から伝搬距離を評価し,またサーモグラフィーを用いて熱伝搬距離を評価した.また,地盤材料を砂質系材料だけでなく,粘土系材料も用いて,超音波による影響を観察した.以下にその結論を列挙する.(1)超音波発生装置の出力電力280.4Wでは66.7Wの時と比較して温度上昇範囲が8cmから14cmへと大きくな っており,超音波のエネルギーを上げると超音波の温度上昇能力が届く範囲が大きくなる.(2)出力電力280.4Wで超音波を照射した時,65.2℃から温度上昇が見られなかったことから,超音波を照射した時の温度上昇には上限がある.(3)珪砂表面からの距離が大きくなるとガラスビーズの移動距離が短くなることから,超音波照射距離の増加に伴い超音波照射時の土の構造変化は小さくなる.(4)超音波照射方向の砂地盤の密度状態は,ホーン先端に近いところほど密な状態になる.(5)珪砂表面から2cmから4cmの所で珪砂が締固められており,この層が蓋となって気泡が排出されない状態となることで珪砂表面から6cm以下の部分に気泡が増え密度が低下している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に試作した模型土槽に超音波照射装置をセットする一連の実験装置を修正することができた。特に超音波発生装置の電力の動きをオシロスコープで捉えるシステムを構築し、超音波入力波を定量評価できたことに満足している。これらの成果は、1編の卒業論文としてまとめられている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は最終年度であるため、2022年度で試作した実験装置を用いて、油の浄化状況を定量評価し、2021年度の成果と2022年度の成果を総合評価する実験を実施する予定である。また、これらの成果は、2024年度に学会発表する予定である。
|