研究課題/領域番号 |
21K04270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
楊 宏選 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (00324004)
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研究分担者 |
細山田 得三 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (70262475)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ダルシー透水係数 / forchheimer係数 / 浸透流 / 河川流 / 相似性 / 動水勾配 / フルード数相似 / 透水係数の相似 / 透水係数の速度縮尺 / フォルヒハイマー係数 / 非ダルシー流 / ダルシー流 / 圧力相似 / 模型実験 / 河川流と浸透流の同時相似 |
研究開始時の研究の概要 |
河川の模型実験はフルード相似則に基づいて行われるが,河川構造物にまつわる移動床・固定床模型実験は,多くの場合,浸透流・洗堀を含むことになっている.しかし,浸透流を含む河川流の模型実験は浸透流の相似まで考えていないのが現状である.これは構造物底面の受ける揚力,地盤中動水勾配が模型実験で得られないことを意味し,構造物の安定性評価,地盤のパイピング評価などに影響を及ぼす.本研究は,数値計算と模型実験を通して,浸透流を含む河川流の水理模型実験に実現可能な相似の要件および対策を提案する.
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研究実績の概要 |
初年度に浸透流の可視化実験の準備、非接触型流速計測(PIV)の修得、可視化実験のパイロット実験と簡単な数値実験を行った。 次年度は、国総研の既往実験データ(複数箇所の間隙圧力、複数箇所の河川流流速、河川流の水面形)に加えて、可視化実験で浸透流の流脈・流線を得た。これらのデータを使って数値実験のV&Vを行ったが、数値実験は室内実験と同じ結果になることは可能である一方、室内実験は必ずしも想定通りの設定で行われるとは限らいことが判明した。つまり可視化実験で得られた流線にばらつきがあり、構造物下部の透水材は想定状態で敷き詰められていないケースが多い。現場にもこういう状況があり得ると考えられる。 次年度と最終年度は、模型実験と実物の相似性に必要条件を層流(ダルシー流)と乱流に分けて導出し、河川流を含む数値実験(ダルシー流)と河川流を含まない数値解析(非ダルシー流)に分けて相似性の実現可能性を検討した。層流であれば、透水係数が相似すれば圧力が相似し、透水係数が厳密に相似しなくとも圧力の相似性は大きく崩れないことが分かった。乱流の場合、相似条件が厳しく、模型の透水係数が実物の透水係数に流速縮尺に従う他に、FL_模型=FL_実物という条件をも満たす必要がある。なお、Fはforchheimer係数、Lは代表長さである。即ち、模型のサイズが実物の1/Nであれば、透水係数Kを実物の√Nに、forchheimer係数Fを実物のN倍に、同時に満たすことが要求され、非現実である。しかし、Re数が10になると層流項の寄与が10%程度しかないことを利用して、数値解析が高Re数の場合にFL数だけを合わせれば、圧力相似性が概ね得られることを示した。 国総研の大粒径透水試験の再吟味をも行った。透水係数は動水勾配によって変わっていたが、透水試験を乱流と考えて再計算すれば動水勾配に依存しない透水係数とFが得られた。
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