研究課題/領域番号 |
21K04272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
音田 慎一郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50402970)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 数値モデル / 越流 / 地形変化 / 一般座標系 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,激甚化する豪雨災害では,河床や河岸を構成する多量の土砂を侵食し,流路が大きく変動する被害が確認されている.そこで本研究では,河川洪水流,地形変化を精度よく予測するため,表面流と浸透流を同時に予測できるデカルト座標系での流体解析モデル,土砂輸送モデルを河道に沿った一般座標系に拡張し,新たな計算力学的アプローチを構築することを目的としている.湾曲水路での横越流,河岸侵食を伴う流路変動現象に数値モデルを適用し,モデルの妥当性を検証する.
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研究実績の概要 |
近年,豪雨災害が激甚化する中で,洪水流が河床や河岸を構成する多量の土砂を侵食し,河川の流路が大きく変動する現象が確認されている.これまでの河川洪水流,河床・河道変動解析では,実用性の観点から平面的な水の流れ場を解く巨視的なモデルが汎用されてきたが,災害リスクが高くなってきている中で,流路変動現象について精度の高い予測を行うためには,氾濫流の非定常的な挙動と,地形変化をもたらす河岸,河床近傍の流れと土砂輸送特性を取り扱うことのできるモデルの構築が必要である.その際,実際の河川では曲線形状を有していることから河道に沿った一般座標系を用いることが有用であると考えられる. そこで本研究では,申請者が開発してきた表面流と浸透流を同時に予測できるデカルト座標系での3次元流体解析モデル,土砂輸送モデルを河道に沿った一般座標系に拡張し,水際・河床近傍の複雑な流れの3次元性と土砂輸送特性を考慮することで,曲線形状を有する流路の流れと地形変化を予測できる新たな計算力学的アプローチを構築する. 本年度は,一般座標系に拡張した表面流と浸透流を同時に予測できる3次元流体解析モデルを用いて,湾曲水路の側壁に堰を設置した場合の横越流現象に関する数値解析を行い,堰の高さに伴う3次元的な流れ構造の違いについて考察した.また,土砂輸送モデルを一般座標系に拡張し,上記の流れのモデルと組み合わせ,基本的な河床変動計算への適用について検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,表面流と浸透流を同時に予測できる3次元流体解析モデルと土砂輸送モデルを組み合わせ,水際・河床近傍の複雑な流れ構造と土砂輸送特性を考慮した一般座標系での数値解析モデルの構築を行い,河岸侵食を伴う流路変動現象や越流による破堤現象を精度よく予測できる3次元数値解析モデルの構築を目的としている. そこで,3次元流体解析モデルを一般座標系に拡張することでモデルの発展を行い,直線水路,および湾曲水路の側壁に堰を設置した場合の横越流現象に関する既往の実験に適用してモデルの妥当性を検証した.水深や平均流速の主流方向分布,横越流流量を概ね再現できることを確認するとともに,堰の高さに伴う3次元的な流れ構造の違いについて考察した.また,土砂輸送モデルを一般座標系に拡張し,上記の流れのモデルと組み合わせ,基本的な河床変動計算への適用について検討を行った.さらに,初期条件として上流側に砂州形状を与え,水を流して生じる流路変動現象について水理模型実験を実施した.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,表面流と浸透流を同時に予測できる3次元流体解析モデルと土砂輸送モデルを組み合わせ,水際・河床近傍の複雑な流れ構造と土砂輸送特性を考慮した一般座標系での数値解析モデルの構築を行い,河岸侵食を伴う流路変動現象,越流による破堤現象を精度よく予測できる3次元数値解析モデルの構築を目的としている.そこで,3次元流体解析モデルを一般座標系に拡張するとともに,直線水路,および湾曲水路の側壁に堰を設置した場合の横越流現象に関する既往の実験に適用し,流れの特性について考察した. 今後,土砂輸送モデルを組み込んだ数値解析モデルを破堤や湾曲水路の河床変動計算に適用するとともに,今年度実施した流路変動現象に関する水理模型実験の再現計算を行い,モデルの妥当性を検証する.
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