研究課題/領域番号 |
21K04286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 岩手県立大学 (2022) 東北大学 (2021) |
研究代表者 |
山邉 茂之 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (90533670)
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研究分担者 |
目黒 謙一 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任教授 (90239559)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 逆走対策 / 認知症 / ドライビングシミュレータ / 視線挙動 / 認知症スイッチ / 逆走防止 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,逆走を起こすドライバの状態変化の兆しを捉え,逆走防止への寄与を目的とする.逆走した方は,結果的に後に認知症だったと判断される場合が多く,自身でも気づいていない認知症の予備群が逆走を起こしている可能性もあり,生活の中で心身ともに負荷が比較的大きい運転中にこそ認知症に似た症状の発生可能性が高まると考える.しかし,認知症予備群を見つけ出すこと自体困難なことから,本研究では,健常者と医学的に認知症と診断された方の運転中の状態と運転行動の決定的な相違点つまり認知能力が一定以上低下した状態の変化を認知症スイッチと仮定して,ドライビングシミュレータの活用にて実験的に検証していく.
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研究実績の概要 |
昨年度から引き続き,認知症の方による走行データ取得を継続している.昨年度に計測した視線計測の解析から,複数の危険度シーンに対してより危険度が高い方を見落とす傾向も見られ,優先度が付けられないことに着目し,医学的診断でも行われる症状確認として全般性注意に基づき,シナリオイベントに対する反応を注意障害に対応させてまとめた.認知症にも種類があり症状も異なることから,種類別症状でよく見られる注意障害は既存研究で明らかになっているため,今回対象とした認知症の方の運転行動ならびに視線移動を注意障害と照らし合わせると,注意障害の傾向に起因した運転行動が見られた.今回の運転シナリオでは,注意障害が起こりやすいイベントを含んだシナリオではないため運転行動と注意障害に相関があるとまでは今回明確化できてはいないが,注視する点が明らかになった.全般性注意に該当する交通事故事例をまとめ,来年度に向けた走行シナリオ作成のための調査を行い,新たな走行シナリオも検討した. 認知症の約7割を占めるアルツハイマー型認知症の発症原因は,医学でもまだ仮説の域ではあるが,その仮説が真の場合,本件が対象とする逆走に至る原因を仮説提唱した認知症スイッチに対して,スイッチが入るロジックを文献調査から検討した.ロジックを定量的に評価するための生体計測項目について,酸化ストレスに着目して次年度の実験に追加する計測項目の検討と選定を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
異動に伴う環境変化への対応により,データ取得の点で当初よりデータ数が足りていない.
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今後の研究の推進方策 |
今年度検討したロジックの定量的な評価に向けて,計測する項目を増やし,さらに,視線計測の精度が悪かったため,今まで以上に丁寧な説明を行い,実験協力者への実験時間へのご理解をいただき,キャリブレーションにかける時間を確保するなど,実験精度向上を図る.
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