研究課題/領域番号 |
21K04289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
秋田 直也 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (80304137)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 鉄道コンテナ集配トラック / 貨物車需要推計システム / 鉄道コンテナ貨物需要 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ドライバー不足が深刻化する中で、貨物車輸送の「省力化」や「生産性向上」による貨物車需要への影響を予測・評価可能なシステムの開発が求められている。そこで本研究では、鉄道コンテナ集配トラック輸送を対象に、貨物需要をもとに貨物車の運行挙動を予測し、貨物車需要を推計するシステムを開発する。さらに、予測された車両ごとのダイヤ表と実績ベースのダイヤ表との間にみられる乖離を把握し、それらの原因を研究協力者へのヒアリング等から明らかにする。
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研究実績の概要 |
安治川口駅を拠点駅とする鉄道コンテナ集配トラック(以下、鉄道トラック)の運行統合データを作成した上で、2018年11月12日から30日までの実働16日分における延べ126運行による延べ553個のコンテナの集配送について分析を行った。その結果、112箇所の訪問荷主先が抽出され、安治川口駅近辺と大阪湾に沿った臨海部において、多くのコンテナが取り扱われていた。また、鉄道トラック1台あたりの平均総運行時間は、9時間11分20秒で、この内の約4割が走行時間となっていた。さらに、訪問荷主先での荷役時間や待機時間において、1時間以上の長時間となっているものが1割程度みられた。 一方、既存のVRPソルバーを、鉄道トラックの配車配送問題に援用する方法については、コンテナの種類では12ftと31ftの2種類を、鉄道トラックの種類では4種類の取り扱いが可能になる方法を検討した。その結果、概ね良好な計算結果を得ることができたが、一部、最初の訪問荷主先で12ftコンテナを卸した後、次の訪問荷主先で31ftコンテナを積載するといった解としてふさわしくないケースがみられた(通常、空となった12ftコンテナが積載されているため、31ftコンテナの積載は不可能)。このため、引き続き検討し、問題の解決を図りたい。 また、鉄道トラックの輸送効率の改善策として3ケースを設定した上で、11月12日の運行について、既存VRPソルバーを用いた運行シミュレーションを行った。その結果、安治川口駅を拠点駅とする鉄道トラックの輸送効率を向上させるには、コンテナの集配送を訪問荷主先に最も近い貨物駅から行うことが最も有効であることがわかった。また、積みと卸しコンテナのマッチングの成立には、それぞれの発生個数が影響するが、荷役時間や待機時間を大幅に短縮すると、利用トラック台数が削減できる可能性があることを示唆することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度に引き続き、大阪府内に立地する4つの貨物ターミナル駅ごとに、複数の鉄道トラックの運行データを包括した運行統合データの作成に取り組んでいるが、データが大量であるため、時間が掛かってしまって、今年度も1駅(安治川口駅)についてしか作成することができなかった。 その一方で、現在までに、既存ソフトウェアのVRPソルバーにおいて、2種類の大きさのコンテナ(12ftと31ft)と、4種類の鉄道トラックを取り扱える方法を検討し、概ね良好な計算結果が得られることが確認できた。しかし、一部、31ftコンテナの集配送結果において、解としてふさわしくないケースがみられるため、その解決策を引き続き検討する必要がある。 さらに今年度は、鉄道トラックの輸送効率の改善策として3ケースを設定した上で、1日のみの運行について、既存ソフトウェアのVRPソルバーを用いた運行シミュレーションを行うことで、荷役時間や待機時間を大幅に短縮することによって、利用鉄道トラック台数を削減できる可能性があることを示せた。しかし、考察の精度を高めるためには、分析対象とする運行日を、さらに増やす必要があるといえる。 また一方で、昨年度に引き続き、研究の進捗が遅れ、研究成果の精度を高めることができなかったことから、国内外での学会等において、研究成果を発表することができなかった。 こうした状況を踏まえ、「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、大阪府内に立地する4つの貨物ターミナル駅ごとに、複数の鉄道トラックの運行データを包括した運行統合データを完成させる。その際、①積み訪問荷主先・卸し訪問荷主先データベース(立地場所(緯度・経度)や、車両の平均滞在時間などを整理したもの)と、②集配コンテナ個数実績データベース(積み訪問荷主先・卸し訪問荷主先ごと、1日ごとに、集配されたコンテナ個数の実績を整理したもの)の作成を優先的に行う。その中で、研究協力者の増員と、作成を効率的に遂行するための機器を導入し、研究に必要と考える5日分の運行統合データの作成を図る。 また同時に、既存ソフトウェアのVRPソルバーを、鉄道トラックの配車配送問題に適用させるための援用方法については、31ftコンテナの集配送結果において、解としてふさわしくないケースが発生している問題の解決方法を検討する。 そして、既存VRPソルバーを用いた運行シミュレーションを、作成した大阪府内に立地する4つの貨物ターミナル駅の運行統合データをもとに、4駅同時に行う方法を確立する。その上で、複数の運行日についてシミュレーションを行い、得られた運行シミュレーションの結果と実態との間にみられる乖離と、実態にしかみられない輸送形態を明らかにする。また、それらが生じている原因を研究協力者へのヒアリング等から把握する。なお、研究協力者とは、定期的にミーティングを行い、得られた研究結果の情報共有ならびに意見交換を図る。
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