研究課題/領域番号 |
21K04292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
朝香 智仁 日本大学, 生産工学部, 准教授 (60514164)
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研究分担者 |
野中 崇志 日本大学, 生産工学部, 教授 (20556336)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | InSAR / SBAS / ディープラーニング / 三次元点群データ / インフラ点検 / 合成開口レーダ / マルチスペクトルカメラ |
研究開始時の研究の概要 |
特定土工の点検は,5年に1回を目安に道路管理者により実施することが2017年に定められたが,その方法は目視点検が基本となっている。本研究は,日本国内に無数に存在する道路法面について,ドローンによるミクロな視点から衛星によるマクロな視点までのモニタリングを組み合わせることで、道路法面の点検作業の本質的な効率化が図れるのかを明らかにし,道路法面の効率的な点検手法を提案することを目的としている。衛星リモートセンシングによって優先的に点検すべき道路法面を割り出し,汎用的なドローンによる観測とAIによる画像診断によって目視点検の代替ができれば,作業は大幅に効率化できると思われる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、本研究の2年目として長大法面を対象とした現地調査を実施する予定であったが、2022年の航空法改正にともなう諸手続きの遅延の影響により、ドローンを使用した現地調査は実施できなかった。よって、2022年度は現地調査以外で実施できる内容のみ実施することとした。 衛星画像の解析に関しては、合成開口レーダ(SAR)を利用したInSAR解析から判読する長大法面の変位量から、地殻変動量を除き地表面の構造物の変位量のみを抽出するためのモデルを考案し、国際会議にてその成果を発表した。また、ALOS-2/PALSAR-2のSBAS(Small Baseline Subset)解析については、2021年度の観測データを新たに加えて解析をし、研究対象地域における新たな地盤変動量に関する知見を得ることができた。 AIによる画像解析に関しては、2021年度の現地調査時に観測したドローンの可視画像を利用し、ひび割れを検出する最適なディープラーニングの手法に関する研究を行った。物体検出の手法である、Faster-R-CNN、YOLO v2およびSSDの比較結果から、SSDが最も良好な結果を示すことを見出し、さらに教師データとして与える画像とひび割れの検出結果との関係性についても定量的に分析することができた。今年度の解析結果は、ディープラーニングによる画像解析に関する重要な知見となった。次年度は物体検出とは異なるディープラーニングの手法であるSemantic Segmentationによる解析ができるように準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年6月20日以降、無人航空機の登録が義務化され、登録されていない無人航空機(ドローン)を飛行させることはできなくなった。このため、大学で所有するドローンは全て国土交通省へ登録することとなり、2022年5月から書類等を準備し、大学側が一括して取りまとめた申請書類を国土交通省へ提出した。しかしながら、国土交通省よりドローンの登録決裁完了の通知が研究者側にあったのは、2023年2月3日と、2022年度の研究期間の終了間際となったため、ドローンを使用した現地調査は実施できなかった。この要因により、研究の進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に実施できなかった現地調査を実施して当初計画に近づける方針である。特に、ドローンによる観測については法令を遵守する必要があるため、関係機関との調整を綿密に行い、少ない現地調査回数でも研究が進むように計画する予定である。
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