研究課題/領域番号 |
21K04321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
樫山 和男 中央大学, 理工学部, 教授 (10194721)
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研究分担者 |
吉川 仁 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90359836)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 交通騒音 / 波動音響 / 可聴化 / マルチスケール法 / VR技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、音環境問題として道路交通騒音に着目して、道路およびその周辺の構造物の新設・改変に起因する音環境の事前評価・事後分析、防音壁の設計等に供し得る高精度かつ実用的な交通騒音評価システムの開発を目的とするものである。本システムは、防音壁の内部構造および構造物の振動により発生する低周波騒音を考慮可能なマルチスケール・マルチフィジックス理論に基づく波動音響解析手法により構築し、非定常の音圧レベルを算定するとともに、バーチャルリアリティ(VR)技術を用いて仮想現実空間において算定された音圧レベルを可聴化して、それを立体音響により忠実に再現してシステム利用者に提示するものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、研究目的を遂行するため、大きく以下の5項目に分類して、波動音響理論に基づく交通騒音評価システムの構築を行っている。 1)GIS/BIM/CIMによるデジタル都市作成システムの構築(担当:樫山)、2)マルチスケール理論に基づく波動音響解析手法の構築(担当:吉川、樫山)、3)マルチフィジックス波動音響解析手法の構築(担当:樫山、吉川)、4)VR技術を用いた騒音評価可聴化システムの構築(担当:樫山)、5)システムの適用と評価・改良(担当:樫山、吉川) 令和3年度においては、1)GIS/BIM/CIMによるデジタル都市作成システムの構築および4)VR技術を用いた騒音評価可聴化システムの構築について実施し、研究は終了している。4)については、HMDに基づく可聴化システムについても構築は終了した。 令和4年度においては、2)マルチスケール理論に基づく波動音響解析手法の構築、および3)マルチフィジックス波動音響解析手法の構築について実施した。具体的には、2)においては遮音壁の壁面内部の構造を考慮したプログラムを構築した。また、3)においては騒音の風の影響を考慮したプログラムを構築した。また、移動音源を考慮するために、インパルス応答に対して時変畳み込み演算手法を導入して、移動問題を正しく計算・評価できることを確認した。なお、風の騒音に与える影響については、微小であることが明らかとなった。 以上より、令和5年度に実施予定の5)システムの適用と評価・改良を行う準備が整ったといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度もオンラインシステムを有効に活用して研究分担者と十分な連携が図れており、研究計画はおおむね順調に進展している。研究計画における、2)マルチスケール理論に基づく波動音響解析手法の構築、および3)マルチフィジックス波動音響解析手法の構築は、令和4年度で終了予定であったが、令和5年度の上半期まで継続する予定である。一方で、令和5年度の上半期までの実施で計画していた4)VR技術を用いた騒音評価可聴化システムの構築については、すでに終了していることから、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、研究計画における2)マルチスケール理論に基づく波動音響解析手法の構築、および3)マルチフィジックス波動音響解析手法の構築、について引き続き実施する予定である。2)ついては、周期的な微視構造を考慮するために均質化手法の導入を行う予定である。また、3)については構造物の振動の影響について検討する予定である。その上で、1)~4)の手法を統合して、5)システムの適用と評価・改良を、実際の道路交通騒音に適用して実施する予定である。
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