研究課題/領域番号 |
21K04337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
高木 次郎 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (90512880)
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研究分担者 |
大崎 純 京都大学, 工学研究科, 教授 (40176855)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 鋼構造建物 / 最適化 / 耐震設計 / 地震後継続利用 / 減衰部材 / 耐震架構配置 / 大地震後の継続利用 / 高耐震設計 / 鋼構造 / 座屈拘束ブレース / 優良設計解 / 限界耐力計算 / 鉄骨構造 / 損傷制御 |
研究開始時の研究の概要 |
1995年の阪神淡路大震災で建築構造技術者は多くを学び、建築構造の質は向上したが、近年の大地震でも建物が被害を受けて、多くの人々が長期の避難生活を強いられており、更なる向上が望まれる。本研究では、最適化手法を応用して、多くの離散設計変数に対して大地震後の継続利用を可能にする合理的な高耐震設計解を効率よく導出する手法を開発する。座屈拘束ブレース(BRB)等の減衰部材を有する鋼構造建物に対して、減衰部材の性能と配置および主架構を構成する柱梁部材の断面寸法と架構型式を設計変数としたコスト最小化により、減衰効果を考慮して建物の耐震システム全体を効率化した高耐震性設計解群の特性を分析する。
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研究成果の概要 |
鋼構造建物の優良設計解の導出手法を提案し、要求耐震性能や架構型式、構造種別、規模および用途等に応じた設計解群の構造特性を分析した。優良設計解は多スタート局所探索法を利用して鋼構造建物のコストを最小化した設計解であり、長期荷重と中小地震に対する許容応力度設計を満足して、大地震に対して限界耐力計算による安全限界の制約を満足する。 設計変数は、柱梁部材の断面寸法と座屈拘束ブレースの配置である。要求耐震性能に対する設計解のコスト変化や、柱梁主架構を弾性にとどめる設計解の構造特性などを調査した。大地震後の継続利用を志向する優良設計解の分析により、合理的な設計に関する客観的な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レジリエントな社会構築のために、大地震時にも損傷を許容せず、事後の継続利用を志向する設計(「高耐震設計」と呼ぶ)の汎用化のため、最適化手法を応用して合理的な鋼構造の高耐震設計解の導出手法を開発した。本手法の特徴は、(1)実設計精度の複雑な最適化問題を効率よく導出できることと(2)減衰による応答低減を評価して耐震システム全体を合理化することの2つにある。これらにより、高耐震設計の具体像を明確にできる。本研究では、多様な架構型式、構造種別、規模および用途等に応じた設計解群の構造特性を分析した。最適化を利用した設計解群の導出により、合理的な設計解の評価に一般性を確保した点に研究成果の意義がある。
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