研究課題/領域番号 |
21K04341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
今本 啓一 東京理科大学, 工学部建築学科, 教授 (60337300)
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研究分担者 |
清原 千鶴 東京理科大学, 工学部建築学科, 客員研究員 (00284787)
大塚 亜希子 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (00825101)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | CLT / 蟻害 / X線 / 非・微破壊診断 / 樹脂 / 補強 / 超音波伝播速度試験 / 穿孔抵抗試験 / 劣化 / 補修 |
研究開始時の研究の概要 |
CLTとはCross Laminated Timberの略称で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料であり,パネルとして利用することによって近年,中高層建築への適用が期待されている。しかしながらCLTは見方を変えると,木材の最大の弱点である小口を周面に曝け出した部材でもあり,耐久性(劣化抵抗性)に関する研究はほとんどなされていない。本提案は,生物劣化としての蟻害に対するCLTの耐久性を検証するとともに,その劣化程度の非破壊的な評価および原位置での補修・補強方法を提案するものである。
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研究成果の概要 |
CLTとはCross Laminated Timberの略称であり,近年,中高層建築への適用が期待されている。本研究は蟻害を受けたCLTの評価方法を検討するものである。 本研究で得られた知見を以下に示す。1) 劣化したCLT の内部では独立した食痕が発生していることを確認できた。2) 既存の劣化診断方法としての超音波伝播速度試験と穿孔抵抗試験では,測定値と質量食害率との間に相関性が見られ,CLT 部材の損傷の診断方法としての利用の可能性が示された。3) 蟻害を受けたCLT の強度は,無垢材と同程度の耐力低下を示すことが確認された。この低下は樹脂による補強も改善されることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中・高層建築物への適用が進められているCLTの耐久性評価を行うことを目的としている。木材そのものの劣化(主に腐朽や蟻害)に関する研究はこれまでにも多数あるが,このような木質建材の蟻害などを対象とする耐久性に着目した研究はほぼ皆無であり,その意味で学術的な価値と実用性を有し,さらに今後の普及が期待される新しい建築材料において不可欠な耐久性評価を行うという言う点において独自性と創造的な価値を持つと考える。本研究を通して,より資源循環性の高い,環境負荷低減に資する社会の構築に資することができると考える。
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