研究課題/領域番号 |
21K04345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
福山 智子 立命館大学, 理工学部, 准教授 (60587947)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 圧電効果 / カーボンナノチューブ / ひび割れ / 乾燥収縮 / インピーダンス / パーコレーション閾値 / パーコレーション / 破壊センサ / 電圧 / ひずみ / 繰返し載荷 / 摩擦帯電 / 炭素繊維 / セメントペースト / モルタル / コンクリート / 自己診断 |
研究開始時の研究の概要 |
カーボンナノチューブ(CNT)を混和したセメント系材料(CNTCM)は,その圧電特性から自己応力検知が可能な構造材料とされ,構造物の自己診断による点検・診断の省力化が期待されている。しかし,通常の炭素よりも高粉末度なCNTは,施工時のCNTCMの流動性に大きく影響する。実用的かつ経済的なCNTCMの実現には適切な製造方法と少量のCNTで効率的なセンサ機能を維持することが重要である。 本研究では,施工性と圧電センサとしての性能を両立するCNTCM実現のため,①CNTCMのフレッシュ特性,②CNTCMの圧電メカニズム,③適切な調合・作製条件の確立によるセンシング能力の確保について実験的検討を行う。
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研究成果の概要 |
現在,カーボンナノチューブ(CNT)を混和したセメント系材料(CNTCM)の活用が期待されている。本研究の目的は,CNTCMを圧電センサとして利用するために,①セメントペーストの導電特性を最大化するCNT量の検討,②圧電機構の把握である。実験結果から,CNT量が増えるとインピーダンスが低下し,パーコレーション閾値が存在することが確認された。また,CNT量が増えるほど乾燥収縮量が増加する結果も得られた。さらに,セメントペーストの圧電特性の検討では,圧縮ひずみの増減と電圧変動の間に相関が見られ,ひび割れ発生時の電圧波形から破砕帯電の寄与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,カーボンナノチューブ混和セメント系材料(CNTCM)への適用における圧電効果と導電特性のメカニズムを解明し,CNTの適切な混和量を特定することを目的としている。本研究の成果により,CNTCMの圧電センサとしての利用可能性を評価し,応力や力学的性能に関するセンサ性能の向上をはかることができる。 また,建築および土木分野におけるCNTCMの実用化を大きく進展させる可能性があり,CNTを利用したコンクリートのひび割れ低減や強度増進,構造物の自己診断および交通モニタリングのセンサとしての利用が期待される。これにより,インフラの長寿命化,安全性の向上,維持管理コストの削減の可能性が考えられる。
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