研究課題/領域番号 |
21K04347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
山下 拓三 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主任研究員 (40597605)
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研究分担者 |
松井 智哉 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20402662)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | データ同化 / アンサンブルカルマンフィルター(EnKF) / コンクリート材料構成則 / 引張クラック / 機械学習 / 画像計測 / 詳細有限要素法 / 地震応答解析 / PINN / 材料構成則 / コンクリート |
研究開始時の研究の概要 |
詳細有限要素解析(詳細FEM)は構造物の残余耐震性能評価に適した数値解析技術である.しかし,材料構成則は多軸応力状態への適用は限定的で,地震による構造物の弾塑性損傷挙動の予測計算のボトルネックである. 本研究では,高精度なコンクリート材料の構成則開発のために,材料試験の多点変位データを用いた逐次データ同化による応力・ひずみの推定手法の構築を目的として,逐次データ同化手法のプログラム開発と双子実験による検証,材料試験での多点変位データの取得と逐次データ同化による応力ひずみテンソルの推定,得られた応力ひずみテンソルを利用した弾塑性損傷構成則による実験の再現解析と残余耐震性能評価への適用性検討を行う.
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研究実績の概要 |
最終年度に実施した研究の成果について述べる.まず,コンクリート構成則をクラックの履歴を考慮できるように改良し,繰り返し載荷による剛性低下の再現性を向上させた.続いて,データ同化に利用するデータセットを取得するために,コンクリート材料の圧縮試験の画像計測を行った.多様な変位場,ひずみ場のデータを取得するために,側方拘束の有無,載荷版の幅,繰り返し載荷の有無を実験パラメータとして各試験ケース2体の合計16体の圧縮試験を実施した.画像計測にはサンプリングモアレ法を用いて試験体の変位場を計測し,その際に変位計で得られたデータと比較し,両者が良好に対応していることを確認した.また,変位場から剛体変形を除去してひずみ場を計算する後処理プログラムを開発し,材料試験の変位場とひずみ場を可視化した. 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として,研究代表者が開発している有限要素法(FEM)解析プログラムにアンサンブルカルマンフィルターのデータ同化処理モジュールを実装した.双子実験のための対象となるFEM解析のコンクリート構成則を高度化した. データ同化によりコンクリート材料の応力ひずみテンソルの時系列データを推定するために,コンクリート材料試験の画像計測を実施し,変位場とひずみ場の時系列データを取得した.さらに,応力とひずみの時系列データから材料構成則を学習させるために,熱力学法則に基づく深層学習による材料構成則を開発した.本研究により,コンクリートの圧縮試験の画像計測結果から材料構成則を構築するための標準的な手法の確立に向けた要素技術の開発を進めることができた.
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