研究課題/領域番号 |
21K04362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
道正 泰弘 名城大学, 理工学部, 教授 (20734867)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フライアッシュ / 混和材 / コンクリート / 細骨材置換 / 高炉スラグ微粉末 / 環境性 / 資源循環性 / セシウム / 強度寄与率 / 中性化 / 環境性能 / ポゾラン反応 / 圧縮強度 / 鉄筋腐食 / 放射性物質溶出抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
2011年3月11日の東日本大震災以降,火力発電への依存率は増加している。従って,石炭火力発電の副産物である石炭灰の一種:フライアッシュ(FA)の排出量増加が予測される。FA増加対応策の一つとして,環境負荷低減が期待できるコンクリート用混和材等としての普及拡大が挙げられる。また,混和材等への利用は,ポゾラン反応による長期強度の増進等,コンクリート性能向上が確認されている。本研究は,FAを利用するコンクリートの安定的な利用拡大と大量利用の実現を目的に①強度寄与率に関する検討,②中性化と鉄筋腐食に関する検討,③放射性物質(セシウム:Cs)溶出抑制に関する検討を行う。
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研究実績の概要 |
1.フライアッシュコンクリートの資源循環性評価に関する検討:フライアッシュ(FA)の使用がコンクリートの環境性能に及ぼす影響を評価することを目的に,文献調査により,FAがコンクリートの性能に及ぼす影響について確認し,資源循環性の評価方法を検討した。その結果,FA総体積とコンクリートの性能の関係からFAの使用量によるコンクリートの性能への影響を整理することで,性能改善効果を定量化し,資源循環性をコンクリートの配(調)合から評価できることが明らかとなった。 2.環境配慮型コンクリートの基礎的性能に関する検討:カーボンニュートラルの実現のため,低炭素性に寄与する高炉セメントB種(BB)およびFAを大量使用した環境配慮型コンクリートの利用拡大を目的に,フライアッシュII種(FAII)をセメント置換(内割),細骨材の一部に置換(外割),内割と外割の併用,BBとFAIIの外割を併用したコンクリートの基礎的性能について検討を行った。その結果,BBやFAIIを大量使用した環境配慮型コンクリートは,中性化については配慮が必要であるが,構造用コンクリートとして適用が可能であり,FAIIはコンクリート用混和材として利用拡大が期待できることが明らかとなった。 3.放射性物質溶出抑制に関する検討:東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により,発電所構内には多くの低レベル放射性物質に汚染された廃棄物が発生している。これら放射性廃棄物のなかで特に大量に発生しているのが汚染コンクリート塊であり,汚染核種としてはセシウム(Cs)が支配的となっている。本検討は,Csのコンクリートへの長期的な封じ込めを目的に,汎用的な混和材であるFA,高炉スラグ微粉末(GGBFS)の使用によるセメント硬化体からのCs溶出抑制効果について検討を行った。その結果,FA,GGBFSは一定量以上の置換により,セメント硬化体の緻密化とCsの吸着効果による溶出抑制が可能であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響はほとんど受けず,順調に推移した。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り実施する。
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