研究課題/領域番号 |
21K04365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
川添 敦也 鹿児島工業高等専門学校, 都市環境デザイン工学科, 教授 (50710290)
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研究分担者 |
安井 賢太郎 鹿児島工業高等専門学校, 都市環境デザイン工学科, 准教授 (70897701)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 残留変形 / 二次剛性 / MSモデル / 復元モーメント / 高強度鉄筋 / 履歴特性 / 骨格曲線 / 損傷抑制 / マルチスプリングモデル / 復元力特性 / 塑性ヒンジ / RC梁 |
研究開始時の研究の概要 |
大地震後も軽微な補修で継続使用が可能なRC造建物の設計方法を開発する。被災した建物を継続使用するためには、躯体の損傷だけでなく残留変形の抑制が不可欠である。梁の上端に高強度鉄筋を用い、下端の普通鉄筋が降伏した後のせん断力と変形の関係に二次剛性を持たせることによって、フレームに制震構造と同様の履歴特性を持たせ、残留変形を無視できる程度に抑制できる。コストの関係上制震・免震構造を採用することが困難な、中低層のRCラーメン構造を対象とする。さらに、部材の履歴特性を精度よく再現し、残留変形を適切に評価できる解析モデルを作成し、提案する梁を建物に用いたときの残留変形の抑制効果を解析的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
梁降伏先行型の中低層の鉄筋コンクリート造建物を対象に,梁の上端に高強度鉄筋を用い,骨格曲線において二次剛性を発揮させることにより地震後の残留変形を抑制するRC梁を提案した。改良型梁の加力実験を行い,上端筋にSD685を用いた試験体で残留変形の抑制と最大せん断力の抑制が同時に可能であることを確認した。 改良型梁および柱脚の解析モデルを,回転バネを使ったモデルやMSモデルによって作成し,履歴特性を概ね再現した。これらの柱梁の解析モデルを用いて,RCフレームの解析モデルを作成し,地震波による応答解析を行うことにより,改良型梁による残留変形の抑制効果を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大地震により大変形しても,残留変形を無視できる程度に抑制するRC建物の可能性について示した。提案する建物は,梁の下端の普通鉄筋が早期に降伏した後,上端の高強度鉄筋による二次剛性の効果によって,層間変形角が1/100rad.程度では残留変形は生じず,1/50rad.に達しても残留変形を1/400rad.未満に抑制する。また,建物に想定外の変形が生じても層せん断力が大きく上昇しないように,梁の部材角が1/50rad.程度で降伏するように高強度鉄筋の降伏強度によって制御する。このようなRC建物は,地震による残留変形を抑制する様々な従来工法に比べて簡単かつ安価であり,施工費用の抑制に効果的である。
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