研究課題/領域番号 |
21K04369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
長澤 夏子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70308188)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 認知症高齢者 / BPSD / 介護施設 / 季節変動 / 環境計測 / 温度 / 照度 / 高齢者 / 認知症 / 光環境 / 温熱環境 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高齢化の進展に伴い急増している認知症高齢者の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia, 以下BPSD)と、彼らの居住空間内の環境の関連を明らかにすることを目的としている。具体的には、介護施設における通年の環境実測と、定期的なBPSDに関するアセスメント、行動・生理心理調査を行ない、居住空間の環境要因が認知症高齢者のBPSDに与える影響を定量化する。本研究で得られた知見は、認知症高齢者とその介護者双方にとって快適な施設・住宅環境設計を促進するきっかけとなることが期待される。
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研究実績の概要 |
認知症高齢者の生活する室内の環境と、BPSDをはじめとする行動・心理症状との関連を明らかとすることを目的に研究を行なった。介護施設において1年間の環境実測と、定期的な認知症高齢者のBPSDアセスメント・行動や生理心理調査を行ない、室内の環境要因が認知症高齢者のBPSDに与える影響を定量化する。これにより今後のBPSDに対する環境的アプローチ手法の基礎的データとする。 本年度は、研究に先立って対象となる高齢者施設との研究契約、および、学内での倫理審査委員会に研究計画を諮った。対象施設と十分に連携をとりながら協力者の選定と依頼を行なった。その後、協力者とその保護者に対する同意など適切な諸手続きを行なった。 その上でコロナの状況を勘案しながら、高齢者施設のプランの確認と実測位置の検討、計測機器の手配と予備的実測、対象施設への設置を実施した。その後、冬季より環境実測調査と生理計測を開始した。 今後、被験者の生活行動・症状の観察記録(テキストデータ)の分析を行う予定がある。本研究に先立って、これまでに施設で記録されてきた生活行動・症状の観察記録(テキストデータ)を使って、分析手法の検討を始めている。 外部気温の季節変動と連動して、室内の環境状態が変化し、それが心理・行動に影響することが仮説として挙げられる。現在は、上記のデータの回収を行なっており、集まるのを待っているところであるが、季節変動と自律神経系の関連に関する既往論文調査などを並行して行なった。 冬季のデータやテキスト分析の予備的検討については、適宜学会などで発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの感染者数の増減があり、社会的な感染状況が悪化した時期や、介護施設で感染者が出た時期、ワクチン接種時期などとの関係で、研究契約の進捗、機器設置に伺うことができない期間があったこと、協力者と保護者への同意書の取得、などの遅れが生じて実測開始時期が当初予定よりも遅れた。 また、対象者の計測が不能になったケースもある。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定の、1年間の実測は確保できる見込みであることから、ひきつづきデータの回収をまつこととする。 また、対象者の計測が不能になったケースもあり、対象の変更なども検討している。 被験者の生活行動・症状の観察記録(テキストデータ)については、2020年度までも記録されてきたものがあり、分析手法の検討を開始してきたが、そちらの分析を本格的に実施する。 これらのデータは、施設室内の計測データと照らし合わせることはできないが、外部気象データや、季節変動をみるなど、本データが集まるまでの期間に、本論を補完するデータの分析を実施することができる。
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