研究課題/領域番号 |
21K04389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松原 康介 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00548084)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | フェルナン・プイヨン / イスファハーン / 柱廊空間 / ガルダイア / 広場 / ローマ遺跡 / ダマスクス / アレッポ / アルジェリア / シリア / ソヴァジェ仮説 / ビドンヴィル / カスバ / ヒッポダモス / レバノン |
研究開始時の研究の概要 |
中東・北アフリカの歴史都市において、ギリシア・ローマ時代の都市計画遺構は、イスラーム期より今日まで継承されている都市内遺跡としてのヘレニズム基盤と位置付けうる。本研究では、その継承の様相を、住民による居住実践を中心にとらえ、(コロナ対応も念頭に)図面を中心とする文献調査から明らかにする。対象は、アルジェリア、レバノン、シリア、トルコの各遺跡・都市である。(1)ヒッポダモスの都市計画論、(2)ギリシア・ローマ遺跡の地域特性、(3)イスラーム期の移行過程分析、(4)ソヴァジェ仮説の検証、(5)現代の都市計画、文化財保全、観光等における検討、の5つの小目的によりアプローチする。
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研究実績の概要 |
【申請時の研究目的と方法の概要】中東・北アフリカの歴史都市において、ギリシア・ローマ時代の都市計画遺構は、イスラーム期より今日まで継承されている都市内遺跡としてのヘレニズム基盤と位置付けうる。本研究では、その継承の様相を、住民による居住実践を中心にとらえ、(コロナ対応も念頭に)図面を中心とする文献調査から明らかにする。対象は、アルジェリア、レバノン、シリア、トルコの各遺跡・都市である。(1)ヒッポダモスの都市計画論、(2)ギリシア・ローマ遺跡の地域特性、(3)イスラーム期の移行過程分析、(4)ソヴァジェ仮説の検証、(5)現代の都市計画、文化財保全、観光等における検討、の5つの小目的によりアプローチする。 【本年度の研究実績】 現代の都市計画における事例として、1950年代におけるフェルナン・プイヨンによるアルジェ三地区の実現プロセスとその内容評価を行った。具体的には、英文翻訳論文の発表に加え、プイヨンが範を得たムーア建築についての現地調査を、22年9月にかけてイランのイスファハーン(メイダーン広場)及びアルジェリアにて行った。プイヨンは三地区の計画において、メイダーン広場とガルダイアの建築に範を得たと述べている。メイダーン広場では広場の規模感、柱廊とスークの空間構成等を調査した。また、ガルダイアでは連続する小さな窓の構成を調査した。アルジェの実現された計画空間において、ローマ建築に範を得たと思われる大型の柱廊や広場の存在を確認した。その他、アルジェリアのローマ遺跡としてジャミラ、イッポーヌ等のローマ遺跡の現地調査を行った。 また、ダマスクス及びアレッポ(シリア)の都市通史を扱った英文学術書の邦訳出版を行った。その際にヘレニズム基盤からイスラーム的市街地への変容について検証を行った。 その他、指導学生を主著者とする発表論文の執筆において、関連する知見を活かしての研究教育的成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ対応を見据えた文献調査を中心に実施するという本研究計画であったが、本年度は翻訳論文一遍の出版に加えて、イラン及びアルジェリアにおいて海外調査を実施することが出来た。また、『ダマスクス』及び『アレッポ』の翻訳出版に際しては、原著で書かれている内容の検討を通じて研究の進捗を得た。これらのことから、文献研究として一応の成果を出していると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は最終年度である。とりまとめにあたり、最初の課題と想定していたヒッポダモスの都市計画論、レバノンのアンジャル遺跡、トルコにおけるヘレニズム基盤についての文献調査に取り組む。この点において、コロナ情勢が改善した2022年度に、(いつまた状況が悪化するかもわからないため)一つのチャンスとみて現地調査を実施したことで、研究の手順が逆になった面がある。この点の補足も本年度の課題の一つである。
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