研究課題/領域番号 |
21K04397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石垣 文 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (60508349)
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研究分担者 |
加藤 悠介 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (80455138)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | グループホーム / 既存住宅 / 福祉転用 / 社会的養護 / 所有形態 / 建築行政 / 転用 / 改修 |
研究開始時の研究の概要 |
児童養護施設は一般家庭に近い生活経験を得やすいグループホームの形態の本格的導入期を迎えたが、利用できる建物確保の困難さが課題となっている。一方で余剰住宅ストックが問題となる今日の社会では、既存住宅の活用が求められている。そこで本研究では、既存住宅を活用したグループホームの設置自治体や先駆事例を対象に、既存住宅の活用における行政手続きの実態と課題を把握し、家屋確保・活用に関するデータベースを作成する。また既存住宅のグループホームへの活用方法を体系化することを目的とする。
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研究実績の概要 |
障害者および児童福祉における居住型の施設を考えると、ノーマライゼーションの進展や入所者のケアの個別性確保等を背景に、一般家庭に近い生活経験を得やすい「グループホーム」の重要度がますます高まっている。しかしグループホームの開設にあたっては、建築物の確保の困難さがグループホーム設置の障壁の一つと指摘されてきている。一方で、住宅ストックの利活用が社会的な課題となっている現在、既存住宅の転用という視点からグループホームの建物確保を検討することが求められている。そこで23年度は、グループ転用の先駆事例における家屋確保・活用に関するケーススタディを行った。また、グループホームの建て貸しを行う建設業者に対し、建物提供に関するケーススタディを行った。結果を以下にまとめる。 グループ転用の先駆事例調査を通じ、物件の取得に至る手順における事業者、事業者の関係者、大家、不動産業者、建設業者の役割関係について「不動産業者仲介型」「大家・事業者協同型」「専門業者大家型」の三つの型に整理した。次に、建物の所有形態を建築特性と大家の属性から類型化し、それぞれの型にみるホーム整備の特徴を明らかにした。専門業者大家型は既存住宅の福祉転用に知識関心のある建設業者や不動産業者が新築により建物を提供する仕組みであり、事業者の要望を備えた居住環境としやすいという特徴があった。ここから、既存住宅の活用においても、福祉転用に知識関心のある建設業者や不動産業者の存在が物件取得に果たす役割に着目する必要性がみえてきた。また、国による家庭的養護の推進により家賃補助が充実したため、大規模な住宅や二世帯住宅など、不動産市場では借り手が付きにくいがグループホーム用途とはマッチしやすい物件の存在が見えてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究を行う中で、当初計画よりは、既存住宅を活用したグループホームへの先駆事例調査を実施したのちに全国的な状況を把握するための調査票を作成する方が合理的との判断に至り調査手順を変更したこと、また研究計画時には想定していなかった特徴的な先駆事例を把握できたために事例調査の期間を延長したことにより、当初の計画からは遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
まず、既存住宅の福祉転用促進について、基礎自治体やまちづくり団体等に焦点をあて、事業のしくみおよび実績と課題について調査する。また、一定圏域内に既存住宅を活用したグループホームを多数展開している事例を対象に、グループホームの展開手法を地域性や養育方針と併せて検討する。一方で、既存住宅を活用している全国のグループホームに対して、建物の概要、家屋の確保方法、改修・修繕状況等を整理し、活用の実態をデータベース化する。またそこから既存住宅の確保・活用策を類型化する。以上を総合的に考察し、既存住宅活用における課題を整理する。そこから既存住宅活用の手法案を作成する。
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