研究課題/領域番号 |
21K04403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
小笠原 正豊 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (00750390)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | DfMA / 設計者 / 施工者 / BIM / 設計プロセス / PPVC / 設計 / 施工 / 職能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、わが国におけるDesign for Manufacture and Assembly(以下DfMA:「製造および組立・施工を最適化するための設計」とする)を前提とした設計のあり方について検討し将来像を提示することである。昨今、世界的な技能者不足および技術(IT・BIM)の高度化により建築物の設計・施工方法が大きく変化している。英国をはじめシンガポールや香港などの国々では、DfMAを行政が戦略的に推し進めている。DfMAの採用は「どのような」建築物を「どのように」建設するかという構工法の見直しを必要とし、技能者不足や技術(IT・BIM)採用の遅れに直面するわが国に不可欠である。
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研究実績の概要 |
R4年度はコロナ禍の影響もやや収束しつつある中、英国を訪問した。調査において、特にDfMAを推進している設計・エンジニアリング事務所6社を訪問した。中でも、DfMAが最も適応されているPPVC(Prefabricated Prefinished Volumetric Construction)の設計に携わった設計事務所4社にヒアリングを行い、文献調査だけではなかなか確認できないプロジェクトの運用状況などについて具体的に確認することができた。この内容は、R5年度の建築生産シンポジウムで発表予定である。 R3年9月より日本建築学会建築社会システム本委員会建築生産小委員会の主査として、建築生産シンポジウムや建築生産セミナーの企画立案および実施に関わっている。特にR4年度の「設計と施工の協働をさぐる」というタイトルの建築生産セミナーにおいては、4名の発表を通じて、設計者や施工者の役割が変化しつつある中、DfMAの特徴の一つである施工情報のフロントローディングを行う事例について情報共有することができた。 R3年より参加しているアーキテクト/ビルダー(「建築の設計と生産」)研究会(コーディネーター:布野修司+安藤正雄+斉藤公男)では、「これからを担う若手建築家の活動と実践」や「建築家として生きるー職業としての建築家の社会学」といった企画にて、コメンテーターとして参加したが、設計者の役割として、DfMA的思考をある程度実践する必要があることを学ぶとともに、情報発信を行った。 東京大学工学部建築学科権藤智之研究室主催の勉強会では、香港におけるDfMAの取り組みについて研究している香港大学博士課程の学生と意見交換を行った。DfMAに関心の深い香港に足掛かりができたため、今後さらなる研究につながると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R4年度は、ようやく海外実地調査が実施できたが、過去コロナ禍の影響により、進捗全体が遅れていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、わが国におけるDfMAを前提とした設計のあり方について検討し将来像を提示することである。まずは文献調査や海外実地調査をつうじて、DfMAの実情を正確に理解することが必須となる。現在はDfMA、OSC、MICといったキーワードのほかに、PPVC(Prefabricated Prefinished Volumetric Construction)の事例も収集中である。 一般的な建築物の設計として、アーキテクトやエンジニアといった専門職を中心として建築設計を進める手法は、英米からアジア諸国へと輸出されていった。一方で、DfMAを前提とした場合の設計がどのように進められているのかまでは、具体的な調査ができていない。R5年度は、R4年度に実行した英国調査の延長として、欧州での調査を検討しているが、研究の進捗状況に応じて都度判断していきたい。 R5年度は、本研究の最終年度であるが、コロナ禍の影響により海外調査が滞り、必ずしも順調に研究が進んでいるとは言えない。今後、コロナ禍で遅れた分の調査を実施すべく、実施期間の延長も併せて考えたい。
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