研究課題/領域番号 |
21K04414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
中島 美登子 香川大学, 創造工学部, 准教授 (30413868)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 災害公営住宅 / 高齢者 / 交流関係 / 防災集団移転地 / 被災地 / 孤立化防止 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、仮設後の住まいである災害公営住宅と防災集団移転地を対象として、入居者の転出入に伴うコミュニティの変化や多様性・異種混交性に着目するとともに、そうしたコミュニティを周辺地域社会との相互関係において捉え直すことで、仮設住宅後の住まいにおける高齢者の孤立化防止と生活支援の新たな方途を探るとともに、周辺の地域社会や地域住民を含めたより広範な地域包括ケアに接続してゆく可能性について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究で取り上げる2つの災害公営住宅は住民構成という点で大きな違いがあり、1つは同じ地域の住民が同じ災害公営住宅に移転しているが、もう1つは異なる地域の人達が抽選により移転してきた。そのため、これら2つの災害公営住宅のうち1つは移転当初から災害公営住宅内に設置されている集会所で一定のコミュニティ活動が行われてきたのに対し、もう1つは移転からかなり遅れて集会所でのコミュニティ活動が開始された。以下では、まずこのような違いがどのように生み出されたのかを移転プロセスと集会所の利用状況の検討を通して明らかにする。そのうえで、このような移転プロセスと集会所の利用状況の違いが災害公営住宅における高齢者を含む住民の交流状況や意識とどのように関係しているのかをアンケートとインタビューによって明らかにする。以上を通じて、本研究では災害公営住宅における集会所の役割や課題を明らかにすることを目的とする。調査対象はA地区にあるA災害公営住宅とB地区のB災害公営住宅の2つの災害公営住宅を対象とすることとした。 本研究ではA災害公営住宅とB災害公営住宅の2つの災害公営住宅を対象として移転の経緯や集会所の利用状況について聞き取りを行うとともに、住民の交流状況や意識などについてアンケート調査を行い、それぞれの災害公営住宅における高齢者を含む住民の交流状況や交流場所、自治会活動への参加状況などを把握した。また、このアンケート調査でインタビュー調査の了承が得られた住民にインタビューを行い、外出行動や交流状況,趣味活動,集会所の具体的な利用状況等を明らかにした。その結果、集会所の具体的な利用状況や地域活動との関連によって、集会所が高齢者の交流や意識におよぼす影響も大きく異なることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2つの災害公営住宅を取り上げて調査を行った。具体的な研究の進め方は最初に1)仮設住宅から災害公営住宅への移転後に住民構成はどのように変化したのか、とりわけ前住地(被災前の居住地や仮設住宅)を同じくする入居者の転出入と前住地を共有しない新規入居者の内訳を調べることで、仮設後の住まいにおけるコミュニティの変化を明らかにした。次いで2)災害公営住宅における自治会活動や各種イベントなどのコミュニティ活動の内容と、入居者の属性による参加の程度や役割の違い、および3)周辺地域住民との新たな交流や結びつき、具体的には災害公営住宅の集会所で行われるイベントへの周辺地域住民の参加状況と、周辺地域で行われる地域活動への災害公営住宅の入居者の参加状況を調べた。そして「共助」の担い手としてのコミュニティ及び周辺地域社会の役割を明らかにした。4)災害公営住宅に暮らす高齢者による介護サービスや支援員などの既存の地域包括ケアサービスの利用状況を調べることで既存の高齢者支援体制の役割と問題点を明らかにした。これらの作業を通じて、仮設後の住まいにおける高齢者の孤立化防止と生活支援の諸条件の解明を試みた。調査方法はアンケート調査とインタビュー、参与観察を組み合わせて調査を行った。具体的には、入居者(自治会長を含む)へのアンケート調査とインタビューを通じて、1)入居者の住民構成とその変化、2)仮設後の住まいにおけるコミュニティ活動の実態、3)周辺地域住民との関係を明らかにした。さらに、高齢者サポート拠点のスタッフおよび支援員へインタビューを行い、4)既存の地域包括ケアのサービスと支援員の活動内容を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は2つの災害公営住宅と2つの防災集団移転地を取り上げて継続した調査を行いたい。具体的な研究の進め方は最初に1)仮設住宅から災害公営住宅や防災集団移転地への移転後に住民構成はどのように変化したのか、とりわけ前住地(被災前の居住地や仮設住宅)を同じくする入居者の転出入と前住地を共有しない新規入居者の内訳を調べることで、仮設後の住まいにおけるコミュニティの変化を明らかにする。次いで2)災害公営住宅や防災集団移転地における自治会活動や各種イベントなどのコミュニティ活動の内容と、入居者の属性による参加の程度や役割の違い、および3)周辺地域住民との新たな交流や結びつき、具体的には災害公営住宅やや防災集団移転地の集会所で行われるイベントへの周辺地域住民の参加状況と、周辺地域で行われる地域活動への災害公営住宅や防災集団移転地の入居者の参加状況を調べる。そして「共助」の担い手としてのコミュニティ及び周辺地域社会の役割を明らかにする。4)災害公営住宅や防災集団移転地に暮らす高齢者による介護サービスや支援員などの既存の地域包括ケアサービスの利用状況を調べることで既存の高齢者支援体制の役割と問題点を明らかにする。これらの作業を通じて、仮設後の住まいにおける高齢者の孤立化防止と生活支援の諸条件の解明を試みる。 調査方法はアンケート調査とインタビュー、参与観察を組み合わせて調査を行う。具体的には、入居者(自治会長を含む)へのアンケート調査とインタビューを通じて、1)入居者の住民構成とその変化、2)仮設後の住まいにおけるコミュニティ活動の実態、3)周辺地域住民との関係を明らかにする。さらに、高齢者サポート拠点のスタッフおよび支援員へインタビューを行い、4)既存の地域包括ケアのサービスと支援員の活動内容を明らかにする。
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