研究課題/領域番号 |
21K04419
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
橘 弘志 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (70277797)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高齢者居住施設 / ユニットケア / 共用空間 / 環境構築プロセス / 環境によるケア / 高齢者施設 / 人間・環境システム |
研究開始時の研究の概要 |
ユニットケア型特別養護老人ホームやグループホームを対象として、共用空間における環境構築の実態把握調査を行う。入居者の生活実態調査を平行して行うことで、一人ひとりの個別な生活展開がどのように共用空間の環境構築プロセスと関わり得るのか、その様相を把握・分析する。日常生活における環境構築のプロセスが入居者の生活に及ぼす意味・役割を、相互浸透的視点からモデル化し、「環境によるケア」の概念導出・提案を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、ユニットケア型高齢者施設の共用空間に注目し、介護のための機能的側面からではなく、入居者やスタッフ等による環境構築を前提とした相互浸透的視点から、改めて施設の共用空間の意味や役割、課題を見出すことを目的とする。具体的には、以下のことを行っていく。(1)ユニットケア型特別養護老人ホームやグループホームを対象として、共用空間における環境構築の実態把握調査を行う。環境構築の状況、過程、目的などを含め、克明に記録する。(2)環境構築の実態が確認できた施設を選定し、入居者の生活実態調査を行い、一人ひとりの個別な生活展開がどのように共用空間の環境構築プロセスと関わり得るのか、その様相を把握・分析する。(3)日常生活における環境構築のプロセスが入居者の生活に及ぼす意味・役割を、相互浸透的視点からモデル化し、環境に支えられながら本人らしさを保ちつつ、主体的かつ社会的な生活の実現をサポートする「環境によるケア」の概念導出・提案へと結びつける。 本年も昨年度に引き続き、まだコロナ禍の影響、あるいはインフルエンザの流行も重なり、高齢者施設への訪問調査は依然として実施の難しい状況が続いている。部外者である研究者が施設に赴いての実態把握調査を行うことは困難な状況となっている。昨年同様に、現地調査のための体制を整えること、並びに、近年の高齢者施設の設計動向の把握に努めることとなった。研究の進行実績としては、十分な成果を上げているとは言えない状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年も昨年度に引き続き、まだコロナ禍の影響、あるいはインフルエンザの流行も重なり、高齢者施設への訪問調査は依然として実施の難しい状況が続いている。部外者である研究者が施設に赴いての実態把握調査を行うことは困難な状況となっている。昨年同様に、現地調査のための体制を整えること、並びに、近年の高齢者施設の設計動向の把握に努めることとなった。 本研究の最も核心的な部分が、現地調査によって高齢者施設の共用空間における環境構築の現状を捉えることであり、また観察調査を重ねることで、その構築された環境における居住者の生活形成プロセスを捉えることであるため、進捗状況としては遅れていると評価せざるを得ない。 現状としては、昨年に引き続き、現地調査のための体制を整えること、並びに、近年の高齢者施設の設計動向の把握に努めることとなった。建築関係の雑誌、医療・福祉建築協会の年次資料などから、近年のユニットケア型施設に対して、どのような設計手法が用いられ、共用空間の特徴が見られるのか、おおまかな動向を捉えるとともに、分析を進めるためのデータ化を進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であったにも関わらず、研究成果を出すことができず、研究を1年延長して遂行する。進捗状況で述べた通り、高齢者施設における訪問・実態調査を行うことが困難な状況が続いているため、まずは現地調査に至るまでの社会的背景の確認と、近年に設計・開設された施設空間の傾向の把握を進めていく。そして図面レベルで多くの施設の設計意図や空間分析を行い、建築空間のあり方から環境構築に関わる要素を抽出することを試みる。以前に比べれば、さまざまな制約が戻りつつあるため、限定的ではあるが、施設への訪問・視察などが行えるようになることを期待している。現地調査が可能な状況に移行したところで、少しずつ現地調査を開始する。ただし、高齢者を中心として重症化のリスクが必ずしも低減したとは言えず、予断を許さない状況ではある。
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