研究課題/領域番号 |
21K04431
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新 雄太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (50739224)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | コミュニティ / アクターネットワーク理論 / ソーシャルキャピタル / 空き家 / 町並み / 家守 / エリアリノベーション / 社会的ジレンマ / ニューマテリアリズム / 地域コミュニティ / 地域素材 / エリアマネジメント / アクターネットワーク / 結い |
研究開始時の研究の概要 |
地産の素材やそれによって構成される建築,またその建築を建設・修繕する地域コミュニティや風土により,地域特有の建築様式が各地で育まれてきた。一体どのような規範や仕組みで共同体の暮らし・住まいに世代を超えて持続的に取り入れてきたのだろうか。 本研究では,建築を構成する地産材がいかに地域コミュニティと関係して持続的に使いこなされてきたのかを種別・地域別に事例研究を通じて解明し,それらの関係性についてアクターネットワーク理論により分析することを目的とする。この研究によって,個人の暮らしを支える共同体の創造的生態系を視覚化し,現代のエリア・マネジメントに寄与する持続可能な計画手法の導出を目指す。
|
研究実績の概要 |
3年目であるR5年度は、初年度に行った「結と家研究会」で扱ったフィールドワークの2種(茅をめぐる共同体の営み@長野市戸隠中社地区、麻をめぐる共同体の営み@大町市美麻地区)を取り纏め、学会発表を行った。具体的な内容としては、アクターネットワーク理論を援用して、地産材をどのような規範と仕組みで暮らしに取り入れてきたのか、現地の話者へのインタビュー調査を基軸にした域内での地産材のアクターとしての振る舞いをエスノグラフィー的アプローチにより構造化(図化)している。
また、そうした伝統的な地産材とコミュニティ、それによって構築される建築・空間といった構造をアナロジカルに捉え、現代への示唆を得ようとするのが本研究のそもそもの目的である。そこで現代的な地産材としてストックがあり、その中でも空き家再生を通じた都市更新、エリアリノベーションが注目されている。持続的なコミュニティの維持継承という観点からすると、いかに社会的関係性を維持継承しながら空き家再生を通じて都市更新を行えるのか、という問いがあり、この検証のために行ったアンケート調査を取り纏め、現在海外ジャーナルへの投稿論文の準備中である。関連して、エリアマネジメントの現代的な牽引役として「家守」の存在が再注目されており、その実態と課題を全国的なアンケート調査により分析し、論文として取り纏めた(査読中)。
そして、これまでの文献調査から、コミュニティがつくる建築/建築がつくるコミュニティを主題にした、アクターネットワーク理論の応用的理論枠組みの整理を行っている。建築や町並みが持つ社会的関係資本を、モノの事物連関の記述と、モノに対するヒトの意識構造の可視化を通じて位置付ける試みであり、上記の論文化作業も含めて研究期間を延長して取り纏める予定。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
補助事業の目的をより精緻に達成するための、理論的枠組みの整理と、論文投稿等の実施
|
今後の研究の推進方策 |
すでに調査等はすべて終了しており、あとは取り纏める作業に期間を要する。論文投稿を機会として捉え、これまでの総仕上げとして、延長期間を有効に活用する。
|