研究課題/領域番号 |
21K04439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
後藤 隆太郎 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00284612)
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研究分担者 |
鈴木 孝男 新潟食料農業大学, 食料産業学科, 教授 (80448620)
菊池 義浩 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (50571808)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 低平地 / 新村 / 計画 / 有明海沿岸 / 信濃川・阿賀野川下流域 / 品井沼干拓地 / 計画の実態 / 集落計画 / 居住 / 農業 / 日本の戦後近代 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今の自然災害後の集落計画において、住宅地造成や農漁村施設といった個別的な施設復旧事業等が先行し、安全が確保されたものの集落の維持や持続が疑問視される事案が散見される。 本研究では、こうした集落計画の課題を踏まえ、戦後近代の我が国の集落形成に関して自然・空間・生産の連関を基本的視座とし、低平地の集落や新村計画を検証する。それにより、1)生産を含む集落の維持と創造との両立、かつ、2)物的要素(ハード)と非物的要素(ソフト)を包括する集落計画の体系化と論理の考究を目的とする。 特に、建設後30~50年ほど経過した有明海沿岸の新村は、今日にこそ検証可能であり、有益な知見が得られるものと考えている。
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研究実績の概要 |
これまでの有明海沿岸部新村の調査研究の主な成果として「戦後計画村における敷地内の建物配置-有明海・八代海沿岸の干拓地を対象に」と建築学会技術報告集に投稿、修正を経て採用の結果得た(2023年度公開確定)。本稿は、特に東西方向の道路に並ぶ南・北入り敷地と、南北方向の道路に並ぶ東・西入り敷地について、建物配置の傾向と、建物配置がもたらす沿道景観の差異(入植時と入植後約50年)を明らかにした。これにより地内の南側から北側にかけて、作業空間や車両動線となる空地、南向き玄関の母屋、倉庫等の小屋の順に配される傾向、特に南といった絶対方位と対応することが建物配置の基本原理を解明している。つまり、敷地の接道方向は、建物の配置傾向と関係し、沿道景観にも強く影響するため、農村を計画するにあたって道路方向の設定は特に重要であることを明示した。また、今後の新村研究の視点として、戦後計画村では屋敷や集住地、共同施設の配置に関して、方位に関して看過されてきたことは重大な問題であり、今日の集落の計画にもそのことは引き継がれてることなどを今後考察し、今後の新村計画への提言などに通じる成果と考えることができる。 その他に信濃川・阿賀野川下流域を事例とした学術講演1件(建築学会2022年大会)、また、2022年度成果の一部を2023年度の学術講演計4件(有明海沿岸部2件、信濃川・阿賀野川下流域関連1件、品井沼干拓地(宮城県))の投稿を行った。 上記と関連し、後藤他共同研究者とのオンライン会議等により全体の研究進捗、次年度(2023年度、最終年度)を視野にいれた研究計画やその実施について検討をこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一部、コロナ禍の影響で、共同での現地調査の遅れが生じているが、最終年度に挽回可能な程度と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記と関わり調査研究として、有明海沿岸部干拓地の複数の集落形態ごとの生活空間の差異やその変容等について継続した調査研究の実施、論文執筆を予定(後藤他)。信濃川・阿賀野川下流域の集落タイポロジーの完成(鈴木他)、品井沼干拓地(宮城県)の継続した調査研究の実施。 また、本研究では「戦後計画村」の実態的な解明が中心となるが、戦前の我が国各地との比較、あわせてオランダ近現代の計画との比較などによるその位置づけを明確化するなどの最終年の全体のまとめ、あわせて今後の継続研究の課題や可能性を整理したい。
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