研究課題/領域番号 |
21K04448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
木下 光 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (90288796)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | シンガポール / 都市デザイン / ランドスケープデザイン / ホーカーセンター / 公共空間 / 管理運営 / 複合化 / 食 / 公設市場 / 水 / 緑 / コミュニティ / ランドスケープ / 農業 / URA |
研究開始時の研究の概要 |
シンガポールにおける1990年代から今日に至る四半世紀の取り組みは、縦割りを超えた都市計画の好例である。ツリー型から多心型の都市構造への転換をコンセプトとして、緑に加え水を重視した公共空間の充実と、食材と食事の提供の要である公設市場(ホーカーセンター)に公共サービスの役割も持たせることで、職住近接の居住を実現しようとしている。本研究「シンガポールにおける縦割り行政を超えた水・緑・食の計画とマネジメントに関する研究」は、縦割りを超えて政策をまとめる横断的な組織、四半世紀に及ぶ持続的なプランニング、人々の暮らしのマネジメントの視点から、政策立案をどのように実行に移すことができたのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
シンガポールの建築・都市計画における中心的役割を果たす都市再開発庁は、食の分配という従来の役割に公共機能を加えた新たなホーカーセンターをコミュニティハブとして2015年以降、副都心地区に建設し、水と緑の公園群と連携する計画を進めている。そのため、都市再開発庁だけでなく、ホーカーセンターを管理する国立環境庁、公園管理を行う国立公園庁や水を管理するシンガポール公益事業庁等による省庁横断で、公共機能の複合化や公共空間の連続性を実現している。管理運営も政府だけでなく民間の指定管理が始まっており、ホーカーセンターは仮設建築から恒久的建築、さらには内外に公共空間を有する複合的公共空間へと変貌を遂げている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
少子高齢化と向き合う日本において、シンガポールのホーカーセンターが社会的ニーズと呼応し複合公共空間へ変化してきた歴史は、3つの観点からその意義をまとめられる。第一に、安価な食事を提供するホーカーセンターは孤食対策として有効な公共福祉施設である。第二に、食だけでなく多様な公共機能を複合化させることでコミュニティハブとして位置付ける試みは、日本における従来のコミュニティ形成組織が機能低下している今日、学ぶべき点が多い。第三に、省庁横断によって上位計画である水と緑のネットワーク計画と連動させ、ホーカーセンターを核として内外の公共空間を創出し、場所の価値を高める手法は、普遍性のある都市計画技術である。
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