研究課題/領域番号 |
21K04454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
大田 省一 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (60343117)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フランス植民地 / 木造架構 / フレンチトラス / 兵舎 / バラック / 軍用建築 / 工兵隊 / 植民地 / ベトナム / インドシナ / 小屋組 / コロニアル / 近代木造 / フランス / 洋小屋 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の初期近代建築においては、西洋式小屋組と伝統構法の和小屋という対比が流布する中で、その多様性が忘れられてきたが、本研究ではその中からフランス系架構形式の系統を抽出し、その実態を明らかにすることを目的とする。ここでいうフランス系架構形式は、本国よりも植民地建設の中で発達したものであるため、近隣アジア諸国の事例と合わせてみることで、日本への導入過程を検証していく。また、軍事技師・サーベイヤーなどの開港期の建築技術、各地の在来工法の特徴などに着目し、フランス発の汎用技術が現地の実情の中で編み出した建築的工夫として、この架構形式の特徴を考察する。
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研究実績の概要 |
本年度は、建築現地調査及び史料調査を国外・国内にて行った。フランス式建築の木造加工の地域性を調べるため、南部地域の架構方法について調査を行った。また周辺国との関連を調べるため、スイス等の木造建築架構方法の建築事例を現地調査した。史料調査では、フランス国立図書館、ニース大学アジア図像資料館などで調査を行った。特に、軍技師の記録を中心に史料収集を行った。国内では、近代にフランス式建築を導入した事例として、陸軍式の建築の実地調査を行った。史料調査では、北海道大学図書館、東京大学図書館等にて、日本の近代木造建築に関する史料収集を行った。 これにより、19世紀から20世紀初頭にかけての植民地建築の建築図面・古写真などの図像・文書史料の読解・解析を行い、木造建築の設計意図、また建設時の状況などに関して明らかにすることができた。 海外研究者との学術交流では、国際学会・研究会参加の機会等を利用して、学術知識の交流に努めた。ベトナム・ハノイにて植民地建築研究者エマニュエル・セリース氏、ハノイ建設大学のゴック・ラン・チュオン、グエン・マン・チー氏、ホーチミン市建築大学のグエン・カム・ズオン・リー氏らと研究協議を行った。 以上の成果として、那覇市及び台湾・台北市において開催されたシンポジウム「アジアの蒸暑地域における鉄筋コンクリート造建築のサステナビリティ:保全に向けた課題」にて、ヨーロッパ・アメリカ発の熱帯地域の建築活動の系譜及び軍用技術の果たした役割について研究発表を行い、フランス、ベトナム。台湾等の近代建築研究者と学術協議をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で中断した分の調査研究は順々に実施しているが、校務のため海外調査に行く機会がなかなか取れず、すべて挽回するには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
調査、特に海外調査の機会を十分に確保できるよう努する。オンラインで資料検索できる史料館・図書館が増えたため、これを有効に活用して、実地調査の事前準備を十分に行えるようにする。
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