研究課題/領域番号 |
21K04457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
齋藤 潮美 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 客員主任研究員 (40708749)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ベトナム / フエ / 阮朝 / 宮殿建築 / 塗装 / 漆 / 彩色 / 保存修復 / ユネスコ世界文化遺産 / 王宮 / 宮殿 / 建築 / ユネスコ世界遺産 |
研究開始時の研究の概要 |
ベトナム中部の都市フエは阮朝(1802-1945)の都が置かれ、皇城、歴代皇帝陵墓等のフエの歴史的建造物群は、1993年にユネスコ世界文化遺産に登録された。 太和殿は、嘉隆四年(1805)に創建後、移築や修理を経て現存し、建築装飾や玉座などに漆・彩色塗装技術がみられ、前近代の伝統塗装技術を知ることできる第一級の宮殿建築である。 本研究は文献史料の分析、塗装サンプルの作成などを通じ、阮朝宮殿建築・太和殿の塗装技術について考察を試みる。
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研究実績の概要 |
ベトナム・フエの歴史的建造物群における宮殿建築は、多くが木造であり、戦禍や社会情勢などの影響を受けた。太和殿の後方に連なって位置していた主要な宮殿は建物を失い、現在は基壇あるいは址を残している。太和殿は、嘉隆四年(1805)の創建後、移築や修理を経て、ベトナム・フエ王宮に現存する宮殿建築である。太和殿には、玉座が置かれ、阮朝王朝期(1802-1945)には、即位式や外国使節との引見などの重要な儀礼が執り行われ、その用途の重要性からもベトナム・フエの歴史的建造物群における伝統的建築漆・彩色技術(以下塗装技術)を考察する上で、最も重要な現存する宮殿建築である。
早稲田大学中川武名誉教授が主導し、早稲田大学建築史研究室が行ってきた(以下早大)フエ王宮の文化遺産の保存修復再生のための一連の研究は、1990年代から開始し、フエ遺跡保存センターを主なカウンターパートとして、遺構の実測調査、復原研究、修復・保存方法などの研究が行われた。本研究は、これまで早大が行ってきた一連の「ヴィエトナム・フエ阮朝王宮の復原的研究」を継承・発展して行っている研究である。
本研究課題では、阮朝期に編纂された文献史料などにみられる阮朝塗装技術に関する考察、阮朝末期に訪越した日本人漆工技術指導者に関する考察などを通じ、阮朝王宮の造営を支えた宮殿の建築塗装生産技術に関する分析を蓄積し、阮朝宮殿建築・太和殿の塗装技術について考察を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、太和殿の建築塗装技術について、阮朝王朝期に編纂された文献史料などにみられる塗装技術に関する分析、阮朝末期に訪越した日本人漆工技術指導者に関する研究資料の分析、塗装の科学分析や塗装サンプル作成の準備などを行った。
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今後の研究の推進方策 |
阮朝末期に訪越した日本人漆工技術指導者に関する研究資料の分析を通じて、当時の塗装生産技術の特徴を明らかにしたい。塗装工程案の作成などを通じて、阮朝王宮の造営を支えた宮殿の建築塗装技術に関する考察を更に深めたい。
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