研究課題/領域番号 |
21K04469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 (2022-2023) 滋賀県立大学 (2021) |
研究代表者 |
山崎 泰寛 京都工芸繊維大学, 未来デザイン・工学機構, 教授 (50795010)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 建築展 / デザイン展 / ニューヨーク近代美術館 / コレクション / ドローイング / 模型 / アーサー・ドレクスラー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、世界有数の展示・研究機関であるニューヨーク近代美術館(以下、MoMA)の建築・デザイン部門のコレクション(永久収蔵品)における日本人建築家・デザイナーの作品の位置付けを明らかにし、その評価を行うものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、世界有数のデザインコレクションを擁するニューヨーク近代美術館(MoMA)のアーカイブを対象にし、コレクションの形成過程における日本人建築家やデザイナーの収蔵作品の傾向と動向を検討するものである。昨年度までは、1957年に初めてコレクション展として実施された「20世紀のデザイン展」に出展された作品をリストアップし、その収蔵プロセスを検討した。 本年度はMoMAの既存のコレクションリストを整理することと、文献調査を行った。結果としてMoMAの建築・デザイン部門が管轄する作品のコレクションは、建築分野とデザイン分野で形成のプロセスが異なることが明らかになった。デザインコレクションはデザイン部門が設立された1930年代からコレクションが始まったが、建築に関するコレクションの歴史は1960年代を待たなければならなかった。これは、デザイン部門に建築部門が足されて現在の体制に落ち着くまでに変遷した、館内における同部門の位置づけが関連していると考えられる。 また、建築のコレクションが事実上1960年代と遅れて始まったことから、その要因を検討する必要があることもわかった。物として扱いやすいデザイン分野の作品に比べて、建築において収蔵に値する対象など、建築物を離れた副産物であるドローイングなどの扱いが定まらなかったことなどが考えられる。また1960年代は、50年代に続いた日本やラテンアメリカに関する建築展を経て、再びアメリカの建築に目が向けられた時期である。特にミース・ファン・デル・ローエの死の3年前に開かれた建築展のプレスリリースにミュージアムコレクションからの展示であることが示されていることから、この時期に建築のコレクションを手探りで始めたことが推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍後の現地視察に踏み切れなかったため、当初想定していた調査スケジュールから遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
MoMAが世界有数の建築作品のコレクションを有するに至った契機として、ミース・ファン・デル・ローエのコレクションを始めたことが推察される。そのため、コレクションの全貌を明らかにすると同時に、ミースコレクションの形成プロセスに絞った研究を進めていく。特に、ミース生誕100年を記念して実施された1986年のミース展では、同年にバルセロナ・パビリオンの復元がなったことから、同館のコレクションが保存再生に活用された可能性がある。そこで、早々に現地調査を実施し、コレクション形成のプロセスにとどまらず、その意義の検討に着手できるように研究を進めたい。
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