研究課題/領域番号 |
21K04474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
研究代表者 |
金井 健 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 室長 (90359448)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 文化財保護行政 / 建造物保存 / 近現代建築 / 活用・改修 / 現状変更 / 保存修理 / 保存再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、文化財保護法が定める「現状変更」の行政実務上の取扱いを我が国の文化財保護の規範的核心をなすものとして捉え、近年活発に行われるようになってきた近現代建造物の保存再生の事例と文化財建造物の現状変更の事例の比較検討を通じて、伝統木造の知見と経験を基調に構築されてきた「現状変更」の概念を近現代建造物の特性を含みうるかたちに再構築する道筋を示すことを目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、現状変更の取扱いを文化財保護の実践的業務の核心として捉え、近現代建造物の保存再生事例と文化財建造物の現状変更事例の比較検討を通じて、その概念を近現代建造物の特性を含みうるかたちに再構築する道筋を示すことを目指すものである。 令和4年度は、令和3年度から引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から多くの活動を自粛していたが、移動制限等が緩和された7月以降、現地調査や関係者へのインタビューを再開した。 7月9日:京都工芸繊維大学第1回保存再生学シンポジウム・歴史的建築物の保存再生デザインを担う人材育成を考える(オンライン)、9月5~8日:日本建築学会大会学術講演会(オンライン)、9月18-19日:ノルウェー・オスロにおける近現代建造物の保存実態に関する調査、10月28日:旧富岡製糸場及び旧富岡倉庫の改修方法に関する調査、11月18~19日:日仏シンポジウム・フランスと日本における産業遺産とその活用、12月1~2日:弘前市内の近現代建造物の保存活用実態に関する調査、12月17日:旧奈良監獄の保存改修方法に関する調査、1月16日:門司港駅舎の保存改修方法に関する調査、3月2~5日:オランダにおける近現代建造物の保存実態に関する調査。3月26日:京都工芸繊維大学第2回保存再生学シンポジウム・歴史的建築物の保存活用における官民連携手法を考える(オンライン) また、収集した資料の分析に基づく論文を執筆し、査読に基づく内容の再検討と改稿を経て、日本建築学会計画系論文集に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度の前半は令和3年度からひきつづき新型コロナ感染症対策の遵守により現地調査や関係者へのインタビューを自粛したことから、未だ研究計画の進捗状況への影響が残っている。また、収集資料の分析に基づく論文執筆についても、査読意見を踏まえて分析作業を大きくやり直す必要が生じたため、当初想定していた研究の進行に比べて遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、これまでの研究の結果として見いだされた、文化財建造物の保存行為に内在するはずインテグリティ(保存に対する態度において改変した箇所の選択や方法が文化財的価値を損なわないあるいは高めるものであろうとする誠実さ)の存在を明らかにすることを目的に、文化財保護法下で指定された重要文化財建造物で行われた現状変更に着目して、資料の収集とその分析を進める。
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