研究課題/領域番号 |
21K04491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
丸 祐介 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (20524101)
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研究分担者 |
佐藤 哲也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80249937)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | エアインテーク / 超音速飛翔体 / 境界層 / 空気吸込式エンジン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,空気吸込式エンジンを搭載した超音速飛翔体を想定し,機体との干渉効果を考慮した空気取入口(インテーク)の最適設計化手法の構築とその評価を行う.全機抵抗の低減を考え,機体形状に適合する三次元形状Busemannインテークの設計手法を導入する.Busemannインテークは理論的には性能が高いが,機体の厚い境界層の取り扱いが課題であり,飛行速度や姿勢の変化も考慮した総合的な最適化設計が必要である.さらに,境界層を積極的にインテークに吸い込ませることにより,Boundary Layer Ingestion (BLI) 理論を応用し,エンジン単体ではなく,全機でのエネルギ効率の向上を図る.
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研究実績の概要 |
Busemannの方法を用いて,矩形形状の流路出口断面を有する三次元インテーク形状を設計し,この形状の風洞実験模型を製作した.風洞実験に供試し,流路の圧力分布計測,および出口での全圧・静圧計測を行った.並行して,風洞実験条件におけるCFD解析を実施した.CFD結果に基づいて算出した圧力分布や,全圧回復率と流量捕獲率のインテーク性能評価指標は,風洞実験結果をよく再現できることがわかった.これにより,CFD解析の妥当性を示すことができた. CFD解析による流れ場の可視化により,流路設計上の問題点として,(1)亜音速ディフューザ部での剥離,(2)超音速ディフューザ部での剥離,があることがわかった.(1)の亜音速ディフューザ部での剥離は,試したほとんどの流れ条件で発生しており,亜音速ディフューザ部の流路形状設計の改善の必要性が示唆された.(2)の超音速ディフューザ部の剥離は,インテーク背圧が低い場合や,流入マッハ数が大きい場合には起こらないケースがあることが判明した.このことは,境界層厚さ分をオフセットさせることで,剥離を抑制できる可能性を示唆するものである. また,Busemannインテークを機体側面に搭載すると,スピレージ流が制限されることを考慮して,インテーク形状の切り欠きを塞いだ形態を,風洞実験で供試した.スピレージ流制限の影響は,流路での剥離の影響に比べると大きくないことがわかった.すなわち,超音速ディフューザ部で剥離が生じないよう,境界層厚さ分をオフセットする流路形状補正を行った上で,亜音速ディフューザ部の流路形状の改善を図ることで,インテーク性能を大幅に向上させることができる見通しを得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CFD解析が,風洞実験の結果をよく再現できることが確認できたため.CFD解析により,内部流れを可視化することができ,そこから得られる情報から,今後の改善方針,対策方針を検討できたため.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で見通しを得た,流路形状補正の効果を,主としてCFD解析により評価していく.代表的な流路補正を行った形状の風洞実験模型を製作し,風洞実験結果を得ることで,流路補正の効果を実証する.
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