研究課題/領域番号 |
21K04494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
行松 和輝 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (30867966)
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研究分担者 |
横山 創一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40811211)
後藤 亜希 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (90794074)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 原子状酸素 / シルセスキオキサン材料 / 耐原子状酸素性材料 / シルセスキオキサン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、耐原子状酸素 (AO) 性をもつ新規材料の開拓を目指し、シルセスキオキサン(POSS) 材料の分子設計最適化を目的とする。熱制御材料などの高分子材料は、地球周回低軌道に存在するAOにより浸食されるため、防護手段として耐AO性コーティングが検討され、POSS材料はその一候補である。POSS材料とAOの相互作用について、POSS骨格の反応量への影響は報告があるものの、様々な分子を側鎖として修飾可能な有機ユニットの影響については議論が進んでいない。本研究では、有機ユニットの化学構造とAOとの反応量の相関を取得する。また、ポリイミド材料に塗布可能なPOSS材料の分子設計にも挑戦する。
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研究実績の概要 |
地球低軌道には原子状酸素(AO)が存在し、高分子材料はAOとの衝突により、浸食・劣化が起こることが知られている。本研究では、新規耐AO性材料の創出に向け、有機無機ハイブリッド材料であるシルセスキオキサン含有材料(POSS材料)の有機官能基の化学構造に注目した。異なる有機官能基をもつPOSS材料とAOとの反応量を明らかにすることで、POSS材料の耐AO性材料としての分子設計の最適化を目指している。 本研究は、①:POSS材料の有機ユニットの化学構造の違いがAOとの反応に与える影響評価、②:新規耐AO性材料の設計・合成・評価の2つから構成される。2022年度は項目①として、フルオロアルキル基またはアルキル基をそれぞれ修飾したPOSS材料を合成、Si基板に成膜し、AOとの反応量データの取得を引き続き実施した。これらの試料に対して、AO照射を行い、照射に伴う質量変化量や表面状態およびシリカ形成厚さを、それぞれ電子天秤、XPS分析やTEM分析、光学顕微鏡観察やSEM観察にて評価した。その結果、同一程度のフルエンスにおける質量減少量やシリカ形成厚さは、フルオロアルキルPOSSの方が大きい傾向が確認された。そのため有機官能基のAO浸食率のみで、POSS材料の反応量を決定できないことが分かった。この要因として、POSS材料の無機骨格間距離が影響を与えていると考え、成膜した薄膜のXRD測定を行った。その結果、面内方向の無機骨格間距離が大きい材料の方が、シリカ形成厚さが大きい傾向が見られた。これに加えて、項目②として、ポリイミドに対する塗布性を考慮した新規材料の合成の検討や、AOとの反応量評価にも一部着手した。次年度以降も引き続き、評価を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、AO照射実験を行い、フルオロアルキルPOSSとアルキルPOSSのAOとの反応量が異なることを明らかにできた。またその要因として、POSS内の無機骨格の距離に注目して、その距離とAOとの反応量の傾向が一致していることを明らかにできた。そのためおおむね順調に進捗していると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
項目①について、AOとの反応量に影響を与えた要因の中で、無機骨格間距離が影響していることが分かった。引き続き、異なる有機官能基を持つPOSS材料を合成・成膜し、無機骨格間距離とAOとの反応量などの評価を進める。またAO照射後の表面状態などの評価も進める。 また項目②について、項目①より明らかになったことを基に、新規材料の分子検討、合成などを行い、AO耐性を評価し、宇宙環境での利用可能な材料開発を目指す。
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