研究課題/領域番号 |
21K04526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高野 祐一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40602959)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | スパース推定 / 生存時間分析 / 比例ハザードモデル / 相続紛争 / 採点システム / 数理最適化 / 正準相関分析 / ポートフォリオ / 確率分布 / ノンパラメトリック推定 / 機械学習 / 次元縮約 / 混合整数最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
データに内在する有用な情報や構造を抽出することを目的として,主成分分析や正準相関分析などの様々な次元縮約法が存在する.しかし大量の変数を扱う場合には,次元縮約によって生成された合成変数の解釈が困難になる.本研究では次元縮約の解釈性を向上させるために,合成変数に使用する最良の変数集合を選択する,最良スパース推定を対象とする.
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研究実績の概要 |
本年度は、比例ハザードモデルのスパース推定問題に対する解法の研究と、混合整数最適化を用いたリスク採点システムの研究を実施した。 比例ハザードモデルとは、観測開始から事象の発生までの期間を予測する生存時間分析のための統計モデルであり、遺伝子発現や顧客関係管理、信用リスクなどの分析で利用される。比例ハザードモデルの分析結果の解釈性を向上させるために、なるべく少ない変数で精度の高い分析モデルを構築できるスパース推定が有効である。本研究では、比例ハザードモデルのスパース推定問題を二段階最適化問題として定式化し、下位問題の二次近似を用いた高性能の切除平面法による解法を提案した。数値実験の結果、提案手法は特に低次元のデータセットに対して優れた予測性能を示した。また、二次近似を用いることで計算の高速化と高い汎化性能が実現できることを検証した。 相続の際には様々な要因によって一定の割合で紛争が発生し、少子高齢化を背景に遺産分割事件数は年々増加している。本研究では、ロジスティック回帰に基づく混合整数最適化モデルと区分線形近似を組み合わせて、相続紛争の予防・回避のためのリスク採点システムを作成した。採点システム作成の際には、紛争発生の代理指標として遺産分割協議の長期化に着目している。この採点システムを利用することで、専門的な知識が無くても計算機を使用せずに簡単に相続紛争のリスクを算出することができる。数値実験の結果、偏回帰係数に整数変換処理を適用する簡易的な方法と比較して、提案手法は優れた予測精度を示した。また、提案手法で作成した採点システムについて、質問項目に対する選択肢や得点の妥当性を考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
比例ハザードモデルのスパース推定問題に対して高性能の厳密解法を構築できた。また、相続紛争のリスクを算出するために有用な採点システムを構築できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は最良スパース推定の厳密解法の対象を、サポートベクトルマシンや推薦システムなどの機械学習の問題に拡張していくことを計画している。
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