研究課題/領域番号 |
21K04531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
向谷 博明 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (70305788)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | サイバーフィジカルシステム / インセンティブ / 平均場ゲーム理論 / 確率システム / 低次元化 / インセンティブ可能性 / 平均場確率システム / むだ時間 / 静的出力フィードバック / 半正定値計画法 / 大規模電力システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に連携可能にするサイバーフィジカルシステム(CPS)におけるロバスト(頑強)大規模インセンティブ設計論について研究する.まず,インセンティブの存在性を判別できる「インセンティブ可能性」の概念を創成する.次に,部分観測値や時間遅れ等の不確定情報にロバストな大規模インセンティブ戦略設計アルゴリズムを確立する.最後に,スマートグリッドを基盤とする再生可能エネルギー需給安定化問題を取り上げ,提案された大規模インセンティブ誘導戦略の可用性・有用性及び,現実問題への信頼性・適用可能性の評価・検討を行う.
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研究成果の概要 |
サイバーフィジカルシステムにおけるロバスト大規模インセンティブ設計に関して,インセンティブ存在条件をはじめ,インセンティブの計算に必要なアルゴリズム並びに,低次元化手法の開発に成功した.具体的には,まず,インセンティブの存在性を判別できる「インセンティブ可能性」の概念を大規模連立型行列方程式によって表現した.次に,部分観測値や時間遅れ等の不確定情報にロバストな大規模インセンティブ設計問題を定義し,非線形凸最適化手法による求解アルゴリズムを確立した.これらの設計手法は,低次元逐次計算可能な最適化問題からなり,多項式時間で,高速かつ安定に実行可能であり,ロバストな収束を達成することを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
提案されたインセンティブ戦略設計手法は,大規模連立型行列方程式を扱う代わりに,低次元分散型行列方程式を解くことに基づいている.さらに,低次元行列方程式を繰返し解くことによって,高速かつ意思決定者数に依存することなくインセンティブが計算可能となった.一方,実際のサイバーフィジカルシステムへ適用するため,不確定要素をウィナー過程とみなすことにより,確率インセンティブ戦略設計法も提案した.その結果,実際の社会システムにおける問題を扱うことが可能となった.これらは,不確かさが存在しても,ロバストな低次元インセンティブ戦略を実用的な設計論の枠組みで設計出来るようになった点で,非常に有用な結果である.
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