研究課題/領域番号 |
21K04542
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
嶋田 陽一 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 助教 (90455501)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 航路 / 最適化 / 漁船 / 衛星 / 北太平洋 / 海洋環境 |
研究開始時の研究の概要 |
北太平洋北西部の漁場は日本から天皇海山列まで時空間変動して形成されている。近年、政府による改正漁業法及び国際連合による持続可能な開発目標(SDGs)により水産資源管理が注目されている。水産資源管理による漁業として、燃料消費量等のコスト削減のために気象・海象を考慮して漁場までこれまでと同程度の船速で最短時間に航行することが挙げられる。そこで本研究では衛星データを利用して北太平洋北西部における操業漁船の分布する海域である漁場を探索し、漁場まで最短時間で航行するシミュレーションを構築する。
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研究実績の概要 |
衛星AISデータは、人工衛星で収集された地球上における多種多様な船舶の運航情報が含まれたデータである。衛星AISデータから漁船の操業海域、つまり漁場と関係がある海域を把握できる可能性があるので、衛星AIS データは水産資源管理への貢献が期待される。そこで、衛星AIS データを用いて漁船の操業海域を調べた。漁船の動向を調べるためにカナダのexactEarth の衛星AIS データを利用した。対象海域は東日本太平洋沖合である。本研究における衛星AISデータから抽出する漁船の運航情報の条件は、はじめに船速が2knots以下であること、その処理の後に次の船位までの距離が500m以下とする。抽出したデータにおける一部のMMSIから漁船であることをウェブサイトで確認した。漁船の位置と海洋環境の関係を調べるために、気象庁の海洋モデルの計算結果より、50m深の月平均水温・流速を用いた。漁船の位置と海底地形の関係をみると、季節によって異なるが、漁船多く集まる海域は、日本平頂海山群、常盤海山列及び拓洋第1海山の周辺海域に分布していた。一方、漁船の位置と流れ場の関係をみると、季節によって異なるが、漁船が多く集まる海域は、黒潮続流より北に位置する高気圧性中規模渦、黒潮続流の南縁辺に分布していた。 一方、夜間光衛星画像から漁船の動向を解析した。海域は集魚灯漁船が多く分布すると推察される隠岐海峡周辺海域である。漁船は隠岐海峡及び本州沿岸に多く分布する傾向を示した。漁船は水深約100 mの等深線に沿って分布した。対馬暖流第1分枝が隠岐海峡を迂回することによって隠岐諸島の南東に弱い循環流が形成された。漁船はこの循環流及び対馬暖流第1分枝の支流によって収束される海域に分布する傾向を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
不十分な空調・電気環境において多量データを処理するプログラムが高負荷・長期計算であったために、計算機が故障しその復旧に時間を要した。次年度には、空調・電気環境に注意し、計算機の性能の向上及び計算の分散を含めた比較的良好な計算環境を構築する。
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今後の研究の推進方策 |
衛星AIS及び夜間光衛星画像から示された漁船の位置は漁場であると推察される。漁船の位置は海流及び海底地形に関係しているので、海流及び海底地形を考慮した漁場を探索し、その漁場へ移動する航海シミュレーションを構築する。
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