研究課題/領域番号 |
21K04546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
宮川 雅至 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50400627)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 都市工学 / 施設配置 / 階層構造 / 最適化 / 施設数 / 施設利用行動 / 施設閉鎖 / アクセシビリティ / アクセス距離 |
研究開始時の研究の概要 |
都市施設には機能に応じた階層構造がある.本研究は,施設の最適な階層構造を明らかにすることにより,施設の効率的な整備に資することを目的とする.まず,住民からサービスを受ける施設までのアクセス距離を求め,各階層の施設数がアクセス距離に与える影響を分析する.次に,階層構造を最適化するためのモデルを構築する.最後に,構築したモデルを実際の施設配置に適用し,施設の統廃合や高度化に関する意思決定に役立てるための示唆を得る.
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研究実績の概要 |
前年度までに構築した施設の最適な階層構造を求めるためのモデルに対し,記述力を高めるための高度化に取り組んだ.具体的な研究成果は以下の通りである. 1.施設の階層数が3以上の場合も扱えるようにモデルを拡張した.住民はまず最下位の施設を利用するものとし,施設が閉鎖している場合には1つ上位の施設を利用する,その施設も閉鎖している場合にはさらに上位の施設を利用する,という行動を利用可能な施設が見付かるまで続けるという利用行動を仮定した.そして,施設の総整備費用が一定であるという条件の下で,利用可能な施設までの平均距離を最小にする各階層の施設数を求めた.その結果,下位施設の閉鎖率が高くなるほど上位施設の数が増えることを示した. 2.各階層の施設数に加えて階層数も同時に決定できるようにモデルを拡張した.下位の施設ほど閉鎖する確率が高いと仮定し,階層数を変化させたときの平均距離を比較することで最適な階層数を求めた.そして,閉鎖率が高くなるほど最適な階層数が減少することを示した.また,施設配置による影響を調べるため,すべての階層の施設がランダムに配置されている場合と最上位施設のみ三角格子状でその他の階層の施設はランダムに配置されている場合を比較した. 以上の研究成果は新規施設を配置する場合だけでなく,既存施設を統廃合したり高度化したりする場合の意思決定にも役立つなど,階層構造を持つ施設の効率的な整備に資することが期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
施設の最適な階層構造を求めるためのモデルを拡張し,施設の階層数が3以上の場合の最適な施設数,および最適な階層数を求められるようにすることで,モデルの記述力を高めることができた.また,研究成果をまとめた論文が査読付き学術誌に掲載されたほか,国内外の学会で成果を発表しており,研究は計画通り進展していると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに得られた施設の最適な階層構造の性質,具体的には施設の利用行動や各階層の施設配置が最適な施設数と最適解の下でのアクセス距離に与える影響を整理し,施設を効率的に整備するための指針を得る.
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