研究課題/領域番号 |
21K04549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山田 隆志 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (90401570)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 社会・経済システム / 社会シミュレーション / モデリング / 限定合理性 / 異質性 |
研究開始時の研究の概要 |
社会システム科学で用いられる方法の一つである社会シミュレーションにおいて、逐次式インターネットオークション市場や宝くじ市場など現実の社会・経済現象の解析と制度設計への応用を可能にするモデリングの方法論・基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
1. 逐次式インターネットオークション市場: これまで提唱されてきたモデル(Said (2011), Matsuki (2017)) の再検討を行い、どのようにモデリングをすればいいのかの方向性を探った。 2. 宝くじ市場: Chen and Chie (2008) による参入と退出を伴わないモデルを拡張したモデリングをし、それを用いて Swedish Lottery (*) の計算機実験を行った。また、キャリーオーバーの額や賞金の分布が参入する人数にどのような影響を与えるのかの実証分析から計算機実験のためのモデリングを行った。 (*) Lottery の購入者は M 以下の正の整数を一つだけ選ぶ。他の購入者が選んでいない一番小さな数字を選んだ購入者が一等の賞金を得る。Lowest Unique Integer Game と異なり、プレイヤー数が不定であるだけでなく、複数の当たりを設けられる。 3. その他: 地方都市圏にある大学に設置されているカーシェアリングサービスの利用データを分析し、期間(講義期間か休暇期間か)、曜日、時間帯ごとにどのような利用者がやってきてどれくらいの時間利用しているのかをデータマイニング手法によって分類した。その結果、利用者は六通りに大別されることが分かった。この結果を利用して待ち行列モデルを用いた計算機実験を行い、当該のカーシェアリングサービスがどの程度機会損失を生じさせているのかを推定した。最後に、シナリオ分析として利用者が今後どの程度まで増加すれば現在の提供車両数ではカバーしきれないのかの計算機実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19 の感染症法上の位置付けが五類に移行したが前年度までの防疫対策のために海外での研究活動が出来なかったのに加えて、別の研究課題に取り組む必要が生じそちらに多くのエフォートを割いたため。
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今後の研究の推進方策 |
逐次式インターネットオークション市場については、入札者の行動パターンの分類を試みる。特に、入札のタイミングについてはタイプごとに異なるのか、ランダムなのか、あるいは最適停止問題に帰着できるのかを検討する。 宝くじ市場については、Swedish Lottery だけでなくロトくじにもシミュレーションモデルを適用して実験を行う。出来れば、購入者の参入と退出を伴う形式に拡張し、より自然な市場の記述を目指す。 その他: カーシェアリングサービスの実証分析とシナリオ分析では機会損失推定のための計算機実験がグリッドサーチに依るものであったため機械学習手法を活用してより正確な機会損失を推定する。
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