研究課題/領域番号 |
21K04560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
渡辺 喜道 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00210964)
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研究分担者 |
高橋 正和 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20403446)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 機械学習 / ソフトウェア品質モデル / ソフトウェア品質特性 / 組込みソフトウェアシステム / 機械学習計算 / 品質保証 |
研究開始時の研究の概要 |
機械学習計算を含んだ組込みソフトウェアシステムに対する要求に基づいた品質測定方法とそれに基づいた品質モデルを構築する。そのために、MLESの品質特性を評価するための尺度と測定方法を定義し、品質保証のための品質モデルを提案する。具体的な実施手順は以下の通りである。 【1】機械学習計算を含んだ組込みソフトウェアシステムに特有な品質特性を定義する。 【2】尺度と測定方法を定義する。 【3】品質保証のための品質モデルを定義する。
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研究実績の概要 |
本研究では,機械学習計算を含んだ組込みソフトウェアシステム(以降、MLESと略す)を対象として、MLESに対する要求に基づいた品質測定方法とそれに基づいた品質モデルを構築することを目的としている。そのために、MLESの品質特性を評価するための尺度と測定方法を定義し、品質保証のための品質モデルを提案する。 第2年度は、第1年度に引き続き、機械学習を含むソフトウェアの開発に関するガイドラインを利用し、それを拡張し、MLESの体系的な品質モデルに適した尺度と測定方法を定義した。また、品質機能展開で用いる品質特性展開表を組込みシステム固有な部分とそれ以外に分け、またユニット・部品展開をMLES固有な部分とそれ以外に分け、品質特性を評価する尺度とその測定方法を定義し、その方法に基づいてソフトウェアを開発する方法を提案した。その結果を第27回品質機能展開国際シンポジウム等で報告した。具体的な提案内容は以下の通りである。 MLESの品質モデルの品質特性をモデルの品質と訓練およびテストデータの品質に分類した。さらに、モデルの品質を内部品質と外部品質に分類し、訓練およびテストデータの品質を内部品質とデータの品質に分類し、品質特性を明らかにした。モデル品質の内部品質には、7つの副特性、モデル品質の外部品質には3つの副特性、訓練およびテストデータの品質の内部品質には3つの副特性、訓練およびテストデータの品質のデータ品質には2つの副特性をそれぞれ定義し、それら品質特性の測定方法も明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の第2年度目の目標は、以下の通りである。 「機械学習を含むソフトウェアの開発に関するガイドラインを利用し、それを拡張し、MLESの体系的な品質モデルに適した尺度と測定方法を定義する。なお、尺度を定義する際に、ユーザの要求を重視した品質の高いソフトウェアのための尺度となるように、品質機能展開の考え方を応用する。さらに、既存のソフトウェアの機能を洗い出し、ソフトウェア品質特性を当てはめ、ソフトウェア開発の観点から本手法の妥当性を確認する実験を実施する。」 第2年度は、この目標のうち、妥当性を確認する実験以外は達成できた。妥当性を確認する方法として、実験ではなく、市場調査に基づいて、妥当性を確認した。実験を実施するには適用範囲が広すぎるため、MLESのうち、特定のソフトウェアに焦点を当てて、妥当性を確認することが現実的であるので、そのように計画を修正するつもりである。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の目標は、MLESに対応可能な品質保証のための品質モデルを定義することである。また、既存のソフトウェアを対象にして、品質モデルの有効性を確認するための実験を実施し、見直しを実施することも目標である。 これに対して、既に品質モデルは提案しているので、これを見直すことを中心に研究を遂行する。その際、各種実験により見直すことを目標としていたが、当初対象としていたソフトウェアは扱う範囲が広すぎるため、すべてのELMSを対象にした実験を実施することが難しいことが分かった。そのため、特定のソフトウェアに絞ったり、そのソフトウェアの理論的側面や一般的側面に着目して、妥当性を確認することを目標にするように修正する。
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