研究課題/領域番号 |
21K04564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊賀崎 伴彦 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (70315282)
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研究分担者 |
西川 里織 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (40599213)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 気分プロフィール検査 / 脳波指標 / 心拍変動指標 / サポートベクターマシン / 抑うつ-落ち込み / 混乱-当惑 / 活気-活力 / 脳波指標差 / 心拍変動指標差 / 自己符号化器 / 怒り-敵意 / 主成分分析 / 疲労 / 疲労感マスキング / 達成感 / 精神作業負荷 / 脳波 / 心拍変動 |
研究開始時の研究の概要 |
過労死が大きな社会問題となっており,その原因のひとつが疲労である.通常,疲労は疲労感を伴うが,疲労感は達成感などによりマスクされることがある.そのため,疲労を正しく評価できず,労働環境や生活環境の改善につながらないという問題点がある. 達成感を生起する精神作業負荷により,それを課した際の疲労感,達成感,気分状態を質問紙により評価させ,脳活動と自律神経活動を脳波と心拍変動により評価する.これらから,疲労感の有無と達成感の有無に対する脳活動と自律神経活動の関連性を検討することで,疲労感のマスキングを早期に顕在化する.
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研究実績の概要 |
高齢者6名(72~81歳、男性3名、女性3名)を被験者とした。被験者は、脳波および心電図記録のための電極を装着し、シールドルーム内に設けられた椅子に座り、実験を受けた。作業は、机上に置かれた白色無地の40ピースジグソーパズルの完成とした。制限時間は40分とし、制限時間内にジグソーパズルが完成した場合は即刻作業終了、完成しなかった場合は強制作業終了とした。作業開始前と作業終了後にそれぞれ5分間の開眼安静状態を維持し、作業開始前開眼安静前と作業終了後開眼安静後に、気分プロフィール検査が指示された。以上を1実験として午前か午後のいずれかに最大4実験行い、脳波および心電図(心拍変動)から取得した指標を分析することで、高齢者でも作業に対する心理量を生理量で表現することができるか、検討を行った。具体的には、サポートベクターマシンを用いて後期青年者のデータで作成した気分状態度合表現モデル(特に「抑うつ-落ち込み」「混乱-当惑」「活気-活力」の気分尺度については「高い」「平均的」「低い」の3段階を90%以上の精度で分類可能)で高齢者の気分状態の度合いを表現した。その結果、ほとんどの尺度において分類制度が低くなったことから、少なくともこれらの方法で脳波指標と心拍変動指標から気分状態の度合を表現する際には年齢によって表現方法を変える必要がある可能性があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類は5類に移行したものの、年配の方を中心に引き続き警戒感が強く、2023年度の実験の中心に据えていた高齢者実験の被験者を計画していたように募集することができなかった。なお、「研究実績の概要」では、6名分の結果を記載したが、2024年3月末日現在で9名(72~84歳、男性5名、女性4名)まで実施できている。また、後期成年者実験については20~25歳の大学生をのべ24名まで実施できており、昨年度の当該報告で設定しなおした目標被験者数には一応到達していること、また、進捗の遅れに対して期間延長を申請し、承認されていることを申し添える。
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今後の研究の推進方策 |
未達となっている、高齢者実験(対象:60歳代~80歳代)について、2023年度分とあわせて、目標被験者数である24名を、2024年12月をめどに完了する。後期成年者実験(対象:大学B1~M2(18~24歳))についても、同時期までに可能な限りの積み増しを行う。その際、昨年度の当該報告で再設定したように、高齢者実験については低難易度の実験を午前か午後かに拘らず2回をめどに行うようにすることで、確実な履行を目指す。一方、後期青年者実験の積み増し分については、これまでの実験との整合性を担保するため、1被験者あたり6回(=3難易度(低・中・高)×2時間帯(午前・午後))の実験を継続するものとする。その後、本研究課題としてのまとめを2025年3月までに行う。
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